銀歯を白くする治療、どうやって材料を選んでいるか知っていますか?
穴の形や大きさを見て、コンポジットレジンとCAD/CAMインレーを使い分けました
笑ったときや口を開けたとき、奥の銀歯がチラッと見えて気になっていませんか?
「昔の治療で入れた銀歯を、白い歯にしたい」 そんなご相談で来院される患者さんは、じつはとても多いんです。
今回は、奥歯の銀歯を白い詰め物に替えた50代の女性の症例をご紹介します。
初診時の状態
まずは初診時のお口の写真です。

正面から見ると、奥歯に銀歯が入っているのが分かりますね。


横から見ても、左右どちらの奥歯にも銀歯が見えますね。


噛む面から見ると、上下の奥歯に銀歯が入っているのがよく分かります。
患者さんのお悩み
患者さんのご希望は「銀歯を白くしたい」ということでした。
銀歯は、しっかり噛めて丈夫な材料です。 ただ、口を開けたときにどうしても目立ってしまうんですね。
「人と話すときに気になる」 「笑うときに口元を隠してしまう」 そんな患者さんもいらっしゃいます。
また、銀歯は長く使っていると、歯との境目にすき間ができることがあります。 そこから二次う蝕(詰め物の下にできる虫歯)になってしまうこともあるんです。
治療の内容
材料は「穴の形と大きさ」で選びます
今回は、メタルインレー(銀色の詰め物)を外して、白い材料に置き換えました。
白い詰め物にはいくつか種類があります。 今回使ったのは、次の2つです。
- コンポジットレジン(歯の色に近い白い樹脂の詰め物)
- CAD/CAMインレー(コンピューターで設計し、機械で削り出して作る白い詰め物)
ただ、ここで差が出てくるのです。
どちらの材料が合うかは、銀歯を外したあとの穴の形や大きさによって変わります。 そのため、銀歯を外してから、歯の状態を見て判断しました。
その結果、コンポジットレジンを7本、CAD/CAMインレーを2本に使っています。
右下の奥歯の治療の流れ
ここからは、右下の大臼歯(奥歯)の治療の様子を見ていきますね。

右下の大臼歯に、メタルインレーが入っています。 赤い印は、噛み合わせが当たっているところです。

同じ歯を、別の角度から見た写真です。

メタルインレーを外したところです。

古いセメント(詰め物を接着していた材料)などを取り除いて、綺麗にしたところです。 ここをしっかり綺麗にしておくことが、とても大切なんです。

コンポジットレジンを詰めたところです。 青い印は、噛み合わせが当たっているところですね。 噛み合わせを確認しながら、調整していきます。

詰めたあとを、別の角度から見た写真です。 銀歯が入っていたとは思えないくらい、自然な見た目になりましたね。
治療後の状態
処置後の写真です。





初診時の写真と比べてみてください。 奥歯の銀歯が、白い詰め物に置き換わっていますね。 パッと見た時の印象が違いますよね。
治療期間は6ヶ月、通院は10回でした。
お口の中がとても明るい印象になったと思いますし、患者さんもとても喜んでくれました。
治療後に気をつけていただきたいこと
白い詰め物は、銀歯に比べると割れたり欠けたりしやすい面があります。 硬いものを強く噛むときは、少し気をつけてくださいね。
また、詰め物と歯の境目は汚れがたまりやすいところです。 そうならないようにするためにも、毎日の歯みがきと、定期的なメンテナンス(歯科医院でのチェックやクリーニング)を続けていただくことをおすすめしています。
よくある質問
Q:銀歯は全部白い詰め物にできますか?
A:歯の状態によって変わります。 銀歯を外したあとの穴の大きさや形、噛み合わせの強さによっては、白い材料では強度が足りないこともあるんです。 そのため、まずはお口の中を拝見して、一本ずつ判断していきます。
Q:コンポジットレジンとCAD/CAMインレーは何が違うのですか?
A:コンポジットレジンは、お口の中で直接詰めて固める材料です。 比較的小さめの穴に向いていて、歯を削る量を少なくしやすいのが特徴です。
CAD/CAMインレーは、型どりをして、コンピューターで設計して作る詰め物です。 比較的大きめの穴に使うことが多いですね。
Q:費用はどれくらいかかりますか?
A:今回は保険診療で治療しました。 自己負担額(3割負担の場合)は、コンポジットレジンが1本あたり1,000円、CAD/CAMインレーが1本あたり3,000円でした。 本数や歯の状態によって変わりますので、詳しくはご相談ください。
Q:白い詰め物にデメリットはありますか?
A:はい、あります。 CAD/CAMインレーは、メタルインレーと比べて強度が低いんです。 割れたり外れたりしにくくするため、厚みを確保する必要があり、歯を削る量が多くなってしまいます。 コンポジットレジンも、長く使ううちに変色したり、すり減ったりすることがあります。
Q:どれくらいの期間で治療が終わりますか?
A:今回の症例では、6ヶ月、10回の通院で治療が終わりました。 治療する本数によって期間は変わります。
担当歯科医師からのコメント
銀歯を白くしたいというご相談は、とても多いです。
白い詰め物と一口にいっても、材料によって向いている歯の状態が違います。 今回は、銀歯を外したあとの穴の形や大きさを見て、コンポジットレジンとCAD/CAMインレーを使い分けました。
基本的には、見た目が自然で、金属を使わずに治せるため、とても良い治療方法だと考えます。 ただ、強度の面では銀歯にかなわない部分もあるので、メリットとデメリットの両方を知ったうえで選んでいただくことが大切です。
みなさんが白い詰め物を選択するときの参考にしていただけたらと思います。
治療の詳細
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 主訴 | 銀歯を白くしたい |
| 年齢・性別 | 50代・女性 |
| 治療内容 | メタルインレー(銀色の詰め物)を除去し、穴の形や大きさに応じてコンポジットレジンまたはCAD/CAMインレーに置き換え |
| 治療期間 | 6ヶ月(通院10回) |
| 治療費 | 保険診療・自己負担額(3割負担)合計13,000円
(コンポジットレジン 1,000円×7本、CAD/CAMインレー 3,000円×2本) |
| 治療のリスク | ・CAD/CAMインレーはメタルインレーと比べて強度が低く、割れたり外れたりしやすいため、歯を削る量が多くなる
・コンポジットレジンは、時間の経過とともに変色やすり減りが起こることがある ・歯ぎしりや食いしばり、噛み合わせの状態によっては、詰め物が破損しやすくなることがある ・治療後に一時的に冷たいものがしみるなどの症状が出ることがある ・詰め物と歯の境目から、再び虫歯になることがある |
最後に
いかがでしたか?
銀歯が気になっている方、白い詰め物にできるか知りたい方は、ぜひ一度当院までお越しください。 お口の状態を拝見して、どの材料が合うか一緒に考えていきます。
お気軽にご相談ください。











