噛み合わせ

桶川の歯医者|アズ歯科 桶川院

矯正、ブリッジ、インプラント、どれを選択しますか?

歯がない部分を治療する場合、一般的にはブリッジやインプラント、入れ歯などを検討することがほとんどだと思います。 歯科医院によってはその説明しかしていない可能性があります。 しかし、ケースによっては矯正を選択できる場合もあります。   また、矯正治療にはマウスピース矯正とワイヤー矯正があります。 現在、審美的な面からマウスピース矯正を希望する患者さんが多くいらっしゃいます。 食事や歯磨きの時は取り外すこともでき、装置をつけていても透明で目立たないため、生活への支障は少ない利点があります。 しかし、どんなケースでも適用できるわけではなく、しっかりと矯正検査による分析を行い、マウスピース矯正が適用できるか見分ける必要があります。 歯並び、噛み合わせ、歯がない部分の治療など複数本の治療になる場合、矯正、インプラント、ブリッジなど選択肢が増えてくるので、どれが適切な治療方法か慎重に相談していきます。   今回のケースです。 矯正の相談で来院されました。 上の歯並びのがたつきと、下の歯のない部分をどうしたら良いか相談したいとのことでした。 初診時の口腔内写真です。   上は顎の大きさに対して歯が収まりきっておらず、汚れが溜まりやすい状態になっています。 また、下は以前に歯を抜歯してからそのまま放置されていたため、後ろの歯が手前に倒れてしまい、スペースが少なくなっています。 上の歯並びを治すには矯正治療が必要になってきます。 下に関しては、歯がない部分の治療方法として、一般的にはブリッジ、インプラント、入れ歯が選択する候補になります。 しかし、今回はスペースが狭いため、このままの状態で治療をすすめるなら、入れ歯、インプラントを作ることは難しいと考えました。 また、上の歯並びの改善のため矯正治療を検討しており、下の歯がないスペースも同時に矯正治療によって改善するプランを提案しました。   同意を得たため、矯正検査を行い、分析、診断を経て治療に入りました。 上顎は抜歯を行い、そのスペースを利用して歯を並べる必要があり、奥歯を固定源にするため、下のような装置を作成し、装着します。   治療後半の口腔内写真です。 上下共に装置が入っていると、普段の歯磨きがとても難しく、虫歯や歯周病のリスクが上がるため、定期的に歯科医院でのクリーニングと歯磨き指導を行なっています。   矯正治療が終了しました。 とても綺麗な歯並びになり、下の空いていたスペースも歯の移動によって閉じることができ、良い噛み合わせを獲得できました。 これにより、虫歯や歯周病のリスクも減らすことができると思います。 今後は前歯の差し歯の色が気になるとのことなので、全体の歯のホワイトニング後、きれいな色調のセラミックで修復する予定です。   今回のように歯を抜いたまま放置してあり、歯並びが崩れているケースはよくあります。 その治療として、ブリッジなどの被せ物で治す場合もありますが、矯正専門医と連携することで審美的にも改善でき、また削らないことで歯へのダメージを減らす治療方法を選択できる場合もあります。 現在矯正医が3名在籍し、マウスピース矯正、ワイヤー矯正、外科治療を含んだ矯正など幅広いケースに対応しております。 お気軽にご相談ください。 治療期間 2.5年 治療費 ¥1,000,000 + tax 治療のリスク 矯正後に歯の後戻りが起こる可能性がある  

2024.06.26

お子さんの噛み合わせや歯並びは問題ないですか?

虫歯予防などでお子さんの健診に来院される方は年々増えてきています。 汚れがちゃんと取れているか、虫歯になっていないか気にされている保護者の方は多くいらっしゃいます。 しかし、意外と噛み合わせや歯並びに関してあまり意識して子供の口の中を確認していない方もいます。   今回の患者さんも虫歯がないか見てほしいと来院されました。 初診時の口の中の写真です。 虫歯もなく歯磨きの状態もよく、歯茎も健康な状態でした。 しかし、歯並びはきれいですが、噛み合わせに少し問題がありました。 こちらで顎を誘導し噛み合わせを確認してみると、上下の前歯が先端で当たり、下顎が前方に誘導するされています。 この状態の噛み合わせが続くと下顎が前方に成長し、完全な反対咬合になってしまう可能性があります。 歯の位置、角度の問題であれば矯正で歯を動かせば改善しますが、上下の顎の位置関係や大きさの問題になると治療期間が長くなる可能性や程度によっては成長が止まってから顎の骨の手術が必要になる場合があります。 そのため早いうちからこの噛み合わせを改善するために矯正を始める必要があります。(矯正治療を始める年齢はケースによって異なります)   矯正医と相談の時間をとり、矯正を開始することで同意していただきました。 今回はマウスピース型の矯正装置を使用します。 また、歯並び、顎の位置、大きさなどは口周りの筋肉や舌などの影響を大きく受けます。 当院では理学療法士、口育士、管理栄養士など歯科医師、歯科衛生士以外の職種も多く在籍しているため、連携をとり患者さんの治療にあたります。 小児の患者さんであれば、遊びながらのトレーニングで自然と口周りの筋肉を鍛え、顎の位置にも関係する姿勢の改善も目指します。   治療後のお口の中です。 前歯の位置は改善し、きれいな噛み合わせ、歯並びになっています。 今後大人の歯に移行していくため、歯の大きさによっては歯並びが崩れてしまう可能性はありますが、口周囲の筋肉や舌の動きが正常になっていることによって防げる部分も多くあります。 このように、当院では様々な職種が連携し診療にあたっています。 ただ歯を診るだけではなく、周囲の環境や姿勢など診るべき部分は多くあります。 お気軽にご相談ください。 治療期間 6ヶ月 治療費 ¥200,000 + tax 治療のリスク 成長によって歯並びが崩れてしまう可能性がある  

2024.04.26

どの歯が痛みの原因かわからない?

歯医者なので歯が痛くて来院される方はたくさんいます。   ただ、その中で、   「この歯が痛いから治療してほしい」と明確に痛みの場所がわかる方もいらっしゃるのですが、   どの歯が痛いのかハッキリわからない、 痛みは強いんだけど、全体が痛く感じて原因の歯がわからない、   なんてことは珍しくありません。   本日はそのようなお悩みの患者さんの治療をしたときのお話です。       上の奥歯が痛いという主訴で来院されました。   レントゲンの写真ですが、 これといって痛みの原因となりそうな虫歯や歯周病は見当たりません。 基本的に虫歯や歯周病になるとレントゲンだと黒く映ります。     患者さんは、 「上の奥歯が痛いということはわかるが、どの歯が痛いのかわからない」 とのことだったので、 実際に歯や歯ぐきを触ったり、いろいろと検査をしてみました。   しかし、それでもハッキリと痛みの原因となる歯は見つかりませんでした。   ・明らかな虫歯や歯周病が見当たらない ・染みる程度ではなく、痛み止めを常に飲んでいないと辛いくらいの痛みがある   このような場合、もう一つ可能性として考えられるのが、 歯の破折(クラック)、です。     先程写っていた歯を別の角度から見てみます。 以前、虫歯の治療をして金属の詰め物をされているようですが、 そのフチのあたりに細かい亀裂のような部分を確認することができます。   ただし、このような亀裂はよくあるものです。 エナメル質の表面に細かな亀裂があったとしても、そのすべてが治療対象になるわけではありません。   今回のように強い痛みがある場合、 その亀裂が歯髄(歯の内部にある神経)まで達しており、 そこから細菌感染を起こして炎症を生じている可能性があります。   そのため、詰め物を外して内部を確認してみることにしました。   詰め物を外した後の状態です。 虫歯はありません。 詰め物を接着していたセメントがまだ残っているので、除去を進めます。   セメントをとった後の状態です。 矢印で示した部分に亀裂を確認できます。   この亀裂が歯髄まで達しているならば、 そこから細菌が感染して歯髄が炎症を起こしている、または壊死していると判断し、根管治療を進めることになります。   今回は亀裂が歯髄まで達していることを確認し、根管治療を進めました。 根管治療では内部に唾液が侵入して再度感染を引き起こさないように、ラバーダムというゴムのシートをかけた状態で治療します。   マイクロスコープで視野を拡大しながら治療を進めます。 このような細かい亀裂は裸眼ではよく見えず、専用の機器を使用しないと歯科医師でも発見できないことがあります。 「他の病院では何も問題はないと言われていたけど、痛みが引かなくて」 という主訴の方もいらっしゃるのです。   ちなみにこの亀裂が骨まで達していると歯周病が進行するため、抜歯をしなければいけないケースもあります。   CTレントゲン写真です。 この時点では骨の吸収はなさそうでした。   ただし、亀裂が骨に達していた場合、徐々に歯周病が進行するため、今後もレントゲンで確認していく必要があります。   今回の治療で無事に痛みはなくなりました。   痛みの原因がハッキリわからない時は、 「前の歯医者で気のせいと言われた」という患者さんもいらっしゃいますが、 検査をしっかり行うことで原因がわかり、治療できることがあります。   気になる方はぜひ一度ご相談ください。   治療期間 1ヶ月 治療費 保険診療 治療のリスク 痛みがすぐに消失しない可能性がある  

2024.01.28

奥歯の痛みってどう治すの?

奥歯の痛みで来院されました。 その時のレントゲン写真です。 矢印の部分に炎症がありそうです。   被せ物を外してみました。 大きな虫歯があるようには見えませんが、一番奥の歯には亀裂が入っており、そこが炎症を起こしている原因であることがわかりました。   残念ですが、この歯は抜歯が必要な状況でした。   抜歯後、手前の歯の治療をしている時の写真です。   セメントをとっていくと虫歯になっていることがわかります。   虫歯の部分を削って、   土台となるようにコンポジットレジンという材料で形を盛り足します。   その上にプラスチックの仮歯をはめて、まずはこの状態で食事をしていただきます。 歯の神経の近くまで虫歯が及んでいたので、痛みなどの問題が出ないか経過をみるのです。   そのうちに奥の抜歯した部分にはインプラントを入れる準備を進めます。 これはCT上でのシミュレーションです。   下歯槽管と呼ばれる下顎骨の中の血管や神経が通る管との位置関係を調べたり、インプラントの周りにどれくらいの骨の厚みがありそうか見てみることで、安全に手術ができそうか確認するのです。   インプラント処置後のレントゲン写真です。 シミュレーション通りの位置にインプラントが入っており、経過良好です。   続いて上の歯の治療に進みます。 こちらはレントゲン上、問題がないように見えますが、   歯ぐきがプクッと腫れていました。 歯の中になにかしら問題があるようです。   差し歯だったので外してみました。 マイクロスコープで覗いてみると亀裂が入っていることがわかりました。   残念ながら亀裂が入っていると炎症が治らないので、抜歯しました。 歯ぐきが腫れていたところを抜歯後に内側から見ているところです。 骨が溶けて炎症組織が見えます。   実際の歯はこんな感じです。 亀裂が入っているのがわかります。   こちらはブリッジという治療法で治しました。 治療後のレントゲン写真です。 前後の歯を被せ物でつなげることで抜歯した部分にも人工歯ができ、噛めるようになるのです。   治療の前後を見比べてみましょう。   治療前 治療後   治療前 治療後   治療前 治療後   上下の奥歯を同時に治療することで、良い噛み合わせを作ることができます。 治療後に良い状態をキープするためにはとても大事なことなのです。   インプラントを入れた下の奥歯の写真です。 歯ぐきと馴染むような形にすることで歯みがき、メンテナンスがしやすくなります。   ブリッジを入れた上の奥歯の写真です。 もともと少し歯ならびがガタガタの状態でしたが、被せ物にすることで形を揃えることができます。   そうすることで安定した噛み合わせとなり、咀嚼しやすくなるのはもちろんのこと、 一つ一つの歯にかかる負担をバランスよく分配することができ、歯を長持ちさせることができるのです。   今回は被せ物の材料をセラミックにしました。 むし歯や歯周病の原因となるプラークが付着しづらく、病気の予防につながります。   いかがでしたか? 奥歯の治療をする際に大事なポイントは、 ・歯の内部の状態をしっかり確認して病気になっている原因を探ること ・全体の噛み合わせを考えることで治療後に病気を再発させない環境を作ること です。   ご興味のある方はぜひ一度ご相談ください。   治療期間 8ヶ月 治療費 ¥800,000 + tax 治療のリスク 歯の切削や外科処置が必要となる  

2024.01.17

歯ぐきが腫れるのは根が折れてるから?

前歯がムズムズするという主訴の患者さんです。 差し歯の付け根が黒くなっているからやり直したいというお気持ちもあり、一度差し歯を外して診てほしいというご希望でした。   たしかに差し歯と歯根がピッタリではなくなっています。 歯ぐきが下がったのでしょうか。   前歯3本が差し歯になっていました。   差し歯を裏側から見たところです。 こちらも歯根が見えてしまっています。   しかし、ここで一つ心配なことがありました。 「歯がムズムズする」という症状です。 ここで注目してほしいのが下の前歯の位置です。 1本出っ張っていて、明らかに上の前歯を押しているように見えます。   局所的に当たる力があれば、その歯の負担は大きくなります。 そのような負担が続くとどうなるのでしょうか。   当時のレントゲン写真です。 負担が大きいと歯根に破折(クラック)が生じることがあります。 そうすると限局的に歯周炎が起きて、レントゲンでは黒い吸収像が見えるのですが、そのような所見はありませんでした。   被せ物を外してみました。   裏側から見たところです。 この時点では明らかな破折線は認めません。   しかし、外した状態で噛んでもらうと、やはり下の前歯がこの上の歯に強い力をかけている噛み合わせであることは明らかでした。 この時点で、「歯がムズムズする」症状の原因は、 歯にかかる負担、つまり噛み合わせの力である可能性が高く、 前歯の歯科矯正、歯ならびの治療をご提案しました。   その治療法では治療期間が長くなるとのことで、患者さんは歯科矯正治療を希望されませんでした。   金属の土台を外したところです。 残っている歯の量は少ないですが、この時点でも明らかな破折線は認めなかったため、 根管治療ののち、再び新しい土台を作りました。   コンポジットレジンという白い材料を用いて土台を作っています。 金属よりも残っている歯にかける負担は多少軽減できます。   それでも下の前歯による突き上げの力がかかることは変わりません。   新しく差し歯を作りました。 「歯がムズムズする」感じも気にならなくなったとのことでした。   一件落着かと思われましたが、 その数ヶ月後、歯ぐきが腫れてきたとのことで来院されました。   差し歯にしたところの付け根のあたりです。   痛みはさほどないとのことでしたが、明らかに赤みがかっており、炎症が起きているのは明らかでした。   その時のレントゲン写真です。 この時点では根元の周りに明らかな骨吸収像はありません。   しかし、放っておくと炎症が進み、より広範囲に悪影響が出ると判断し、一度差し歯を外して確認することにしました。   こう見てもまだ破折線は認めません。   白い土台を外した時でした。 はっきりと破折線を確認できました。 ちょうど歯ぐきが腫れている部分と一致したため、これが炎症の原因と断定し、そうなると炎症を治すためには抜歯が必要になりました。   抜歯時の写真です。   中をよく見てみると、   歯ぐきが赤くなっていた部分の骨が溶けていました。   抜いた歯を見てみると、歯根にくっきりと破折線が見えます。   その部分だけ歯周組織が炎症により溶けてしまっているのがわかります。   歯周組織をとっていくとはっきりと破折線が見えてきます。   抜歯した部分の歯ぐきがきれいに治ったのち、患者さんの希望により隣の歯も削ってブリッジにしました。   処置後、数ヶ月経過した際の検診時の写真です。 今では歯ぐきの腫れもなく、歯の付け根も新しい被せ物によりきれいに覆われています。 ブリッジの形を調整して部分的な強い力を受けないようにはしていますが、噛み合わせの下の歯は同じ位置にあるため、今後も突き上げによる力の影響は少なからず受けることと思われます。 患者さんと相談の上、一緒に経過をみているところです。   治療前 治療後   いかがでしたか? 今回は、歯が折れると歯ぐきが腫れてくるということ、そして、その原因は歯ならびも影響していることをお伝えしました。 ブリッジという治療の選択肢を希望された内容でしたが、インプラントの治療が気になる方はぜひ下記の症例もご覧ください↓ インプラント前歯の症例を見る また、噛み合わせのために下の前歯を治療したケースもあるので、気になる方はこちらもぜひ見てみてください↓ 噛み合わせを考えた部分矯正(mtm)の症例を見る   治療期間 8ヶ月 治療費 ¥320,000 + tax 治療のリスク 他の歯も破折する可能性がある  

2024.01.02

奥歯がなくなると前歯が出っ歯になる!?

「奥歯がなくなると前歯が出っ歯になる」 なんて話、信じられますか?   実は、本当なんです。 今日はそんなお話をします。     70代の男性です。 前歯がグラグラしてきたところを治療するために来院されました。   上の奥歯を抜いており、入れ歯は使っていませんでした。 前歯が前に倒れてしまっているのがわかります。   別の角度から見ています。 現在残っている奥歯は小さく、噛む力が弱いです。   すると、 噛む度に、下の前歯が上の前歯を押し上げてしまいます。 その結果、上の前歯はどんどん前に出てグラグラになってしまうのです。     上の奥歯が抜けて噛める範囲が小さいのと、 下の歯がすり減って短くなっているのがわかります。     上のグラグラになってしまった歯は残念ながら抜歯をする必要がありました。   残せる歯は出っ歯のようになってしまった角度をできるだけ真っ直ぐに戻せるように、 全体の噛み合わせの治療を進めます。     このようにすり減ってしまった歯があると、 奥歯を噛めるようにした後に噛まなくなってしまうので、 減った分をこのように盛り足したいのです。         治療後の写真です。 このようにコンポジットレジンというプラスチックのような白い材料で盛り足し、 再び上下の歯が接触して噛めるようにしていきます。       全体の噛み合わせの治療が終わり、検診で来てもらった時の写真です。 前歯が真っ直ぐになっているのがわかると思います。   横から見た時の治療前後の比較です。 奥歯にしっかり入れ歯が入り、噛む力の負担が前歯に集中しなくなっているところがポイントです。   奥歯に入れ歯を入れたことで、噛む範囲が前歯のみだったのが全体で噛めるようになりました。   前歯の角度を比較してみましょう。 上下の歯が当たるべき角度で当たるようになりました。     いかがでしたか? むし歯や歯周病で奥歯を失うと前歯の負担が増えてしまい、 結果、残された前歯はどんどん前に出てきてグラグラになってしまいます。   まずはそのことを知っていただくこと、 そして、 そうなってしまったとしても治療方法があることを知っていただけたらと思います。     治療期間 8ヶ月 治療費 保険診療 治療のリスク 歯の本数によっては長期予後を見込めないことがある  

2023.08.28

ガタガタ前歯はマウスピースで治る?

桶川にある歯医者、アズ歯科桶川院の歯科医師、中村です。   歯ならびの矯正治療というと、どんなイメージでしょうか。 永久歯への生えかわりの小学生〜中学生くらいの子がワイヤーをつけて治療しているイメージが一般的かもしれません。 しかし、矯正治療の治療範囲はそれだけではありません。 大人が前歯にかぶせ物をする時にもとても有用な活用法があるのです。 それが、 前歯の部分矯正(MTM:Minor Tooth Movement)です。   以前、別の病院で上の前歯にかぶせ物を作る治療をしていた患者さんです。 上の前歯は仮歯になっており、 今後セラミックのかぶせ物を作る予定だけど、 何度調整しても上下の前歯の当たり方がしっくりこない、 というお悩みをお持ちでした。   見てみてどうでしょう。 下の前歯の歯ならびが悪いので、 上下の前歯の噛み合わせも悪くなっています。 これだとよく噛めないだけでなく、 当たり方が悪いと上の前歯が欠けてしまうおそれもあります。 また、前歯の噛み合わせに問題があると、 一見関係なさそうな奥歯の負担が増えて、奥歯にも悪い影響が出ることもあります。   以上のことをふまえて、 下の前歯の生えてる位置や向きを変えてしまおうという治療法が、 前歯の部分矯正なのです。   先ほど見た、下の前歯の歯ならびはこんな感じです。 斜めになって重なっているため、ところどころ前に飛び出ている部分があります。 ここが上の前歯に強く当たってしまうのです。 そこで、矯正用のマウスピースをはめて歯の位置を変えていきます。 すると、   重なりが解け、本来のきれいなアーチになりました。 飛び出ている部分もなく、これなら上の前歯に全体で均等に噛めそうです。   実際の噛み合わせはこんな感じです。 下の歯がまっすぐ生えているので、 噛んだ時に加わる力も理想的な方向で歯に伝わります。   治療の前後を見比べてみましょう。   治療前 治療後   いかがでしょうか。 上の前歯のかぶせ物にとっても、 噛んだ力が良い方向に加わることで、 欠けたりせず、長持ちさせることができるようになります。   この部分矯正は、半年ほどで治療ができます。 小学生がよくやっている歯ならびの矯正治療は、 顎骨の成長予測をしながら、お口の歯全体の位置を動かしていくため、 数年かかることが多いですが、 大人が前歯の重なりを少し治す程度の部分的な矯正治療であれば、 数ヶ月〜1年もかからないことが多いのです。   また、歯を動かす方法も、 ワイヤーではなく、マウスピースを使って行うことができます。   ご興味のある方は一度ご相談ください。   治療期間 6ヶ月 治療費 ¥350,000 + tax 治療のリスク 矯正後に歯が後戻りしてしまう可能性がある    

2022.11.25

あなたの前歯はどのタイプ?

鏡の前で「いーっ」ってしてみてください。     歯をみがく時、なんとなく前歯を見ているとは思いますが、   今日は、前歯の重なり具合を確認してみてください。     じつは、上下の前歯の位置関係によって4つのタイプに分けることができます。     ① 下の前歯が上の前歯に少し隠れている     ② 下の前歯と上の前歯が当たらない     ③ 下の前歯が上の前歯に隠れて見えない     ④ 下の前歯が上の前歯より前に出ている     さて、あなたはどのタイプでしたか?     この中で、とくに心配のないタイプは、 ①の方、だけなのです。     残りの②、③、④のタイプの方は、 歯ならびに関して、、、要注意です。     上下の前歯が、①のような理想的な位置関係にない場合、 本来、前歯が担うべき正常な機能を果たさなくなってしまうのです。   そうなると、どういった影響が出てくるのでしょうか。     じつは、奥歯にわるい影響が出やすいのです。     上下の前歯がちゃんと当たっていないということは、 結果として、 奥歯の負担が増えてしまうため、 奥歯が欠けたり、 奥歯の詰め物が取れたり、 奥歯がすり減ったり、 奥歯の歯茎が腫れたり、 奥歯が痛くなったり、、、     そのため、歯ならびをそのまま放置して、 奥歯のわるくなっているとこの治療だけ続けても、   しばらくしたら、またべつの奥歯がわるくなって、、、   その繰り返しになってしまうパターンが多いのです。       「気づいたら奥歯ばかり治療を受けているなぁ」   と思い当たる節のある方は、 一度ちゃんとお口の中全体を見てもらってください。   奥歯がわるくなっている原因は、 奥歯の歯みがき不足だけじゃないかもしれません。

2020.11.18

仮歯治療、顎関節治療

主訴 上の前歯の仮歯がいつも取れて、食事がうまくできない。顎が痛い。 他の歯科医院からの転院希望で来院されました。 上の前歯には仮歯が入っており、上手くかみ合っていないのと審美的にも良くない状態でした。 前歯の仮歯が壊れて修理してを繰り返していたためか、仮歯表面にざらつきがあり汚れが停滞しやすい状況です。 また、壊れないよう前歯があまり当たっておらず、そのせいか顎の痛みが出てしまい、大きく口が開けられなくなっています。 噛み合わせをしっかり再構築することと、審美的に改善することをすすめ仮歯の作り直しを行いました。 右下の奥歯がなく左で噛むことが続いてしまうことも顎の痛みに関連してくるため、入れ歯の作製も同時にすすめました。また、左上奥歯のスペースは前後の歯を使用し、ブリッジで対応しています。 この状態で一定期間経過を見ていきます。 噛み合わせを変えたこと、全体で噛むことができるようになったことで、顎の痛みもなくなりました。 しかし、右下は入れ歯のため、左に比べ噛みづらいとの事です。 今後インプラントの処置を行い、左右で同じように噛めるよう進めていく事になりました。   期間 3ヶ月 来院回数 複数回 金額 仮歯代 ¥3000  × 本数 治療によるリスク 仮歯が取れてしまう可能性がある  

2020.05.24

奥歯のインプラント

主訴 奥歯のインプラント治療 治療内容 左下の奥歯の治療相談で来院されました。数年前に抜歯後、入れ歯を作ってもらったが違和感と痛みで使用していなかったとの事です。右でしか咬む事ができず、食事も不便を感じているそうです。 下の写真は、様々な角度から撮影した治療前の口腔内写真です。 治療方法 「入れ歯が合わない」「歯がなくて困っている」といった患者さんに対しては、主に下記3つの治療プランがあげられると思います。その中で患者様一人一人のお悩みに沿って最適な答えが見つかるよう、私たちは全力でお手伝いいたします。 (1) 保険適用の入れ歯の作り直し (2) 保険外での入れ歯の作成 (3) インプラント治療   入れ歯の特徴 メリット 治療期間が短い 周りの歯を削ることが少なくて済む 外科治療などが必要ないため健康状態とは関係なく作製できる デメリット 違和感が出やすい 支えはを痛めたり、歯茎を傷つけてしまうことがある 噛む力が弱い   インプラントの特徴 メリット 周りの歯を削る必要がない 周りの歯に負担をかけない 噛みごたえが天然の歯に近い シンプルな治療ができる デメリット 治療期間が長くなる 外科処置が必要 保険適用外   治療方法の決定 治療方法を相談後インプラントを選択されたので、計画を立てていきます。口の中の写真、CTを撮影し、型取りを行い模型を作製します。 噛み合わせ、骨の状態を確認しインプラントを埋入する部分を決定し患者様に説明します。 見積もりを提示し、了承を得て治療を進めていきます。 インプラントの手術を行い、3ヶ月ほど骨とインプラントが結合するのを待ちます。 3ヶ月後の写真です。骨の中に埋まっているインプラントにネジの形態をした蓋が付いている状態です。 この蓋を外し、型取りを行います。 作製した模型でインプラントに接合するチタン製の土台(アバットメント)を作製します。 この土台をネジを用いてインプラントと固定します。 仮歯が入れば、天然の歯と同じように食事することができます。 この状態で生活していただき、噛み合わせに問題がないか、汚れが溜まりやすくないか等、問題点がでないかを確認していきます。 問題点があれば仮歯の形を調整し経過をみます。 その後、仮歯の形を記録し、その形態を参考に最終的な被せ物を作製していきます。 期間 4ヶ月 来院回数 金額 ¥300,000〜 治療によるリスク インプラントも歯周病になる可能性がある

2020.03.09