前歯が取れてもすぐインプラントできます
「前歯の差し歯が取れてしまった」
「また付け直せるのか、抜歯になるのか不安」
前歯は、笑った時やお話しする時にとても目立つ場所です。差し歯が取れてしまうと、見た目のこともあり、早く何とかしたいと感じる方が多いと思います。
今回は、右上前歯の差し歯が取れて来院された患者さんに、抜歯即時インプラント(歯を抜いた同じ日にインプラントを入れる治療)を行った症例をご紹介します。
確認すると、歯の根が割れている状態でした。歯根破折(歯の根が割れている状態)がある場合、差し歯をもう一度付け直すことが難しいことがあります。
今回は、抜歯が必要と判断し、抜歯と同日にインプラントを入れる計画を立てました。
治療前の状態

治療前の状態です。
右上前歯の差し歯が取れてきたため、来院されました。
応急的に仮歯を隣の歯と接着させている状態です。
中を確認すると、歯の根が割れている状態でした。差し歯は、土台となる歯の根がしっかりしていれば作り直せることもあります。
根が割れている場合は、無理に残そうとしても炎症が続いたり、周囲の骨に影響が出たりすることがあります。そのため、今回は抜歯が必要と判断しました。
今回の治療方針
今回の治療方針は、抜歯と同日にインプラントを入れる「抜歯即時インプラント」です。
抜歯即時インプラントとは、歯を抜いたその日にインプラント(人工歯根)を埋め込む治療方法です。
前歯は見た目への影響が大きい場所なので、治療中の見た目にもできるだけ配慮しながら進めていきます。
ただし、抜歯即時インプラントはすべての方に適応できるわけではありません。骨の状態、炎症の有無、噛み合わせなどを確認したうえで判断します。
ここからは血を含んだ画像もあるので、苦手な方はご注意ください↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
抜歯と同日にインプラントを入れた状態

抜歯と同日にインプラントを入れている段階です。
歯を抜いた後、その穴を利用しインプラントを埋入しました。
インプラント治療では、ただインプラントを入れるだけではなく、その周囲の骨の状態を整えることも大切です。
人工骨

人工骨を使用している写真です。
歯を抜いた後の穴の形と、インプラントの形がぴったり一致するわけではありません。
そのため、インプラントと骨の間にスペースができることがあります。
インプラント周囲のスペースを人工骨で補填

インプラントと骨の間にできたスペースを人工骨で埋めている状態です。
人工骨は、インプラント周囲の骨の安定を助けるために使用します。
すき間をそのままにせず、骨の治癒を促しやすい環境を整えていくイメージです。
この人工骨が時間の経過によって自分の骨に置換されていき、インプラントも安定していきます。

人工骨の上からコラーゲンで封鎖している写真です。
コラーゲンで覆うことで、人工骨を置いた部分を保護し、治りやすい環境を整えます。
前歯のインプラントでは、骨だけでなく歯ぐきの治り方も仕上がりに関わってきます。
処置後のレントゲン

処置後のレントゲンです。
インプラントを入れた位置や状態を確認しています。
外から見える部分だけでなく、レントゲンで骨の中の状態を確認しながら治療を進めることが大切です。
左右の歯とのバランスのとれた位置に埋入できていると思います。

処置部を抑えるために細い糸を使用している写真です。
前歯は、歯ぐきのラインも見た目に関わりやすい場所です。
そのため、処置部が安定するように丁寧に縫合していきます。

術後の経過を確認している段階です。
インプラントは、入れたらすぐに最終的な歯を入れて終わり、という治療ではありません。
骨とインプラントがしっかり安定するまで、経過を見ながら進めていきます。
仮歯の状態で安定を待っている段階

仮歯の状態でインプラントと人工骨の安定を待っている段階です。
前歯の場合、治療期間中に歯がない状態が続くと、見た目の不安が大きくなります。
そのため、仮歯を使いながら、日常生活への影響をできるだけ少なくして治療を進めます。

最終的な被せ物へ移行する前にレントゲンで確認している写真です。
インプラント周囲の骨にも全く問題はありません。
見た目だけで判断するのではなく、骨の状態やインプラントの安定を確認してから、次のステップへ進みます。
この確認を行うことで、最終的な被せ物を装着する準備が整っているかを判断します。
安定が確認できたので、最終的な被せ物(セラミッククラウン)を作成するための型取りなどを行なっていきます。
セラミッククラウン装着後の状態

最終的な被せ物を装着した後の状態です。
隣の前歯と色や形を合わせながら、セラミッククラウン(陶材の被せ物)で修復しました。
前歯は、1本だけ白くきれいにすれば良いわけではありません。
隣の歯との色のなじみ方、形、歯ぐきとのバランスがとても大切です。
パッと見た時に自然に見えるかどうか。ここが前歯の治療では大きなポイントになります。
よくある質問
Q:差し歯が取れたら、必ずインプラントになりますか?
A:必ずではありません。歯の根が残せる状態であれば、土台を作り直して被せ物を入れられることもあります。ただし、歯の根が割れている場合は、抜歯が必要になることがあります。
Q:抜歯即時インプラントは誰でもできますか?
A:骨の状態や炎症の有無によって判断します。すべての方に適応できるわけではないため、レントゲンやお口の状態を確認したうえで治療方針を決めます。
Q:治療中、前歯がない期間はありますか?
A:前歯の治療では、見た目に配慮して仮歯を使用することが多いです。状態によって対応は異なりますが、できるだけ日常生活に支障が出にくいように進めます。
Q:インプラント治療後もメンテナンスは必要ですか?
A:必要です。インプラントはむし歯にはなりませんが、インプラント周囲炎(インプラントの周りの歯ぐきや骨に炎症が起こること)を防ぐため、定期的なメンテナンスが大切です。
治療の詳細
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 主訴 | 前歯の差し歯が取れた |
| 症状・診断名 | 右上前歯の歯根破折 |
| 治療内容 | 抜歯、抜歯即時インプラント、人工骨による骨補填、コラーゲンによる封鎖、アバットメント装着、セラミッククラウンによる最終補綴 |
| 治療期間 | 8ヶ月 |
| 治療費 | インプラント手術費用5万円、インプラント本体20万円、人工骨などの補填剤5万円、アバットメント5万円、セラミッククラウン10万円、別途消費税 |
| リスク・副作用 | 外科処置に伴い、腫れ・痛み・出血・内出血が生じる場合があります。骨の状態や治癒の経過によっては、治療期間が延びることがあります。インプラント周囲炎を防ぐため、治療後も定期的なメンテナンスが必要です。 |
治療費用の内訳
| 内容 | 費用 |
|---|---|
| インプラント手術費用 | 5万円 |
| インプラント本体 | 20万円 |
| 人工骨などの補填剤 | 5万円 |
| アバットメント | 5万円 |
| セラミッククラウン | 10万円 |
| 合計 | 45万円 |
※別途消費税がかかります。
前歯の差し歯が取れた時は、原因を確認することが大切です
前歯の差し歯が取れた時、「とりあえず付け直せば大丈夫」と思う方もいらっしゃいます。
ただ、歯の根が割れている場合は、同じように戻すことが難しいことがあります。
前歯の差し歯が取れた、歯の根が割れていると言われた、抜歯後の治療方法で迷っている方は、お気軽にご相談ください。
※治療効果には個人差があります。











