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桶川の歯医者|アズ歯科 桶川院

その痛み、歯が原因ではないかも?

左上の奥歯が全体的に痛いというお悩みで来院された患者さんです。   歯ぐきが腫れているところはなさそうでした。   どこか欠けているとか、むし歯になって穴があいているところもありません。   パノラマエックス線写真による検査をしました。 こちらでも同様に歯周病やむし歯になっている所見はありません。   では、なぜ痛いのでしょうか。 レントゲンでも原因がわからない場合、以前治療されている歯の被せ物を外して中をチェックしてみたり、噛み合わせに問題がないか確認します。 ただ、それでも痛みが改善しないなんてこともあります。   「ほかの歯医者さんで一通り検査して問題ないって言われたんだけど、でも痛いんですよね」 というご相談で来院される患者さんもいらっしゃいます。   今回の患者さんは、奥歯の痛みのほかに、 「歩いていると頬のあたりがズンズン響く感じがする」 という症状がありました。   痛みの原因として、一つ心当たりがあったので、 歯科用コーンビームCT検査をしてみました。   こちらが検査結果です。 この画像に向かって右側、患者さんからすると左側の上の奥歯のまわりに注目してください。 鼻の横の空洞、上顎洞と呼ばれる副鼻腔の中がグレーになっていますが、 粘膜が腫れていて中に膿が溜まっているのがわかります。 上顎洞炎といいます。 歯の根の先の炎症が上顎洞に波及して上顎洞炎になることもありますが、 CT検査では歯の炎症はありませんでした。 鼻の粘膜が腫れている様子があるため、そちらから細菌感染、炎症を起こしている可能性が高いと判断しました。 その場合、歯の治療は必要なく、上顎洞炎に対して有効な抗生剤を服用していただき、治癒するか経過をみます。   今回は抗生剤を服用していただき、1週間後に来院された時にはすっかり症状も改善しており、奥歯の痛みもありませんでした。 もし症状の改善がみられなければ耳鼻科を受診していただくことになります。   今回のように、奥歯が痛いというお悩みでも、じつは原因が歯ではないということがあります。 その原因を突き止めるために、今回のような歯科用コーンビームCTや、マイクロスコープ等、さまざまな検査機器を用いて診断を行うことができます。   ご興味のある方はぜひ一度ご相談ください。   治療期間 1週間 治療費 保険治療 治療のリスク 痛みが改善しない可能性がある

2024.10.16

むし歯治療の流れはこんな感じです

むし歯の治療ってどんな感じなんだろう? という疑問についてお答えします。   本日は、奥歯のむし歯、かつ、けっこう大きめのむし歯の治療について、実際の治療例をお見せします。   奥歯に痛みがあり、来院された患者さんです。 それぞれ以前むし歯治療をされている跡があり、金属とプラスチックの詰め物が入っています。   レントゲン写真による検査をしました。 2本の歯の間に黒い影が見えます。 これがむし歯です。 表面から目視してもわかりづらかったかもしれませんが、レントゲンだとこのようにむし歯の範囲を確認することができます。 金属の詰め物が入っているほうの歯はむし歯がけっこう深そうです。   それでは、実際に詰め物を外してむし歯の治療をはじめましょう。   こちらはプラスチックの詰め物が入っていたほうの虫歯です。 隣の歯との間からむし歯が広がってしまっているのがわかります。   ただ色が黒くなっている部分を削っているわけではありません。 触って軟らかくなっている部分や、う蝕検知液を用いた検査などにより、むし歯菌に感染してしまっている部分を確認しながら削っていきます。   削る工程が済んだら、コンポジットレジンという材質で穴を埋めます。     続いて、 金属の詰め物が入っているほうの歯の治療です。   先ほどと同じようにまずは詰め物を外してむし歯になっている部分を確認したら、   削るべき部分を判断しながら進めていきます。   すると、こちらはむし歯がより進行していたので、   このように奥のほうの神経、歯髄が見えてしまっています。 このままだと歯髄が炎症を起こして痛くなるため、歯髄を取ることになってしまいます。   そこで、このように専用のセメントを用いて露出してしまった歯髄を保護します。 これを覆髄といいます。   その後、同じようにコンポジットレジンで穴を埋めます。   2本ともむし歯が大きく進行しており、広い範囲の処置をしました。 一度コンポジットレジンという材料で穴を埋めましたが、この材料では強度が足らず、食事中に欠けてしまう可能性があります。 そこで、この上から金属の詰め物を作り、歯の形を回復する工程に進みます。   金属の詰め物がはまる形を作りました。 むし歯になって穴がボコボコしている状態では金属の詰め物はピッタリはまらないため、スムーズな形に調整します。 また、詰め物が外れないように段を作ったりと、さまざまな工夫が必要になるところです。   このくぼみの型をとり、模型を作ったら、技工士さんにお願いして金属の詰め物を作ってもらいます。   できあがってきた新しい金属の詰め物をはめたところです。 ここでピッタリの詰め物が入ることは、歯みがきしやすい状態につながり、再度むし歯にならないための大切な条件となります。 そのためには、くぼみの形作り、型とり、模型おこし、技工士さんの詰め物の精度etc.さまざまな要素が絡んできますが、各工程で細心の注意を払って進めていく必要があります。   それでは、今回の治療を振り返りましょう。   1つ目   2つ目   治療後はしっかり噛めるようになり、痛みもなくなったので、患者さんに喜んでもらえました。   いかがでしたか? 今回は歯髄に近づいていた大きめのむし歯の治療の工程をお話ししてきました。 もし、痛くなってしまった場合は根管治療が必要になる場合もあります。   当院では各治療でこのように写真で記録をとり、治療後に見てもらうようにしております。 「むし歯の治療ってどんな感じで進んで、何をされてるんだろう」 と感じておられる方が多いので、今回少しでも内容が伝わりましたら幸いです。   治療期間 2週間 治療費 保険治療 治療のリスク 歯が割れてしまう可能性がある  

2024.10.07

根管治療は基本が大事

根管治療後、上手く改善せず悩まれている方が多くいらっしゃいます。 そういった方々がセカンドオピニオンで当院にも多く来院されます。 根管治療は根の中に菌が侵入することによって、内部の神経が感染してしまい、放置することによって膿が溜まったりしてしまうため、感染してしまった神経と菌を除去する治療です。 根の中はとても複雑な構造をしており1度菌の侵入が起こってしまうと、完全に菌をなくすことは難しくなります。 そのため、完治しなかったり、再発してしまう場合があります。 根管治療の成功率を上げるためには基本に則った治療と機材が大事だと考えます。   【当院で使用している機材】 ①ラバーダム 感染してしまった歯を治すためには歯の内部の菌を取り除くだけではなく、菌を新たに内部に入れないことがとても重要になります。 そのために必要になるのがラバーダムです。 ラバーダムは専用のゴムのシートで治療する歯のみを露出させ、菌がたくさんある唾液の侵入を防ぎます。 また、治療で使用する器具や薬剤から口腔内を守る効果もあります。   ②CT 根の内部は複雑なため二次元のレントゲンでは細部まで見ることはできません。 CTにて三次元の画像を撮影することで、根の形態や問題の出ている原因がわかる場合があります。 歯の部位、根の形によっては保険適用で撮影することができます。   ③マイクロスコープ 根の中は光が入りづらく暗く、また細いので肉眼では正確に見ることは難しいと思います。マイクロスコープを使うことで、患部を3−24倍まで拡大して治療することができます。それにより、肉眼やルーペでは見えなかった細部まで確認することができるようになります。   ④ニッケルチタンファイル 根の形はまっすぐなものも極端に曲がっているものもあります。 治療で使用する、ファイルと呼ばれる細い器具は一般的にステンレスでできています。 そのため、柔軟性が少なく曲がっている根だと上手く入らなったり、折れてしまうことがあります。 そうならないよう、ケースに合わせて柔軟性の高いニッケルチタンでできたファイルを使用しています。 ⑤MTAセメント 封鎖性と殺菌性に優れたセメントで、根管治療の充填剤として使用することがあります。 アルカリ性の材料で内部で殺菌作用を維持することで、根の内部をきれいな状態に維持することができ、根管治療の成功率が上がります。 人体への親和性も高く、体への心配なく使用することができます。 MTAセメントは根管治療で使用する際は保険外治療となりますので、歯科医師に相談してみてください。   当院では、根管治療においてマイクロスコープ、ラバーダム、ニッケルチタンファイルなど専用の機材は治療の成功率に直結すると考えているため、保険内外問わず使用しています。   今回のケースです。 奥歯の治療のセカンドオピニオンで来院されました。 他院にて何回も通院し、根管治療しているが治らず終わらない、痛みが続いているとのことです。 同意を得てレントゲンを撮影します。 右から2番目の歯の根の先が黒くなっているのが分かると思います。 この部分に菌が溜まり、骨が弱くなっている状態です。 膿が溜まっていると表現する先生もいると思います。 またこの画像で先端が黒くなっている根の内部に入っている薬(レントゲンで白く見える部分)が周りの部分より太く入っているように見えます。 この場合、治療により内部がかなり削られており、根が薄くなっている可能性があります。 より詳細に見る必要があるためCTの撮影をお願いしました。   横から見た画像 右から2本目の根の周囲が黒いのがわかると思います。   上から見た画像 上から2つ目の歯の周囲が黒くなっています。 治療の必要性、根が薄くなっている部分は歯が中で割れたり、ヒビが入っている可能性を説明し治療に移行します。   マイクロスコープを使用します。 根の内部に以前の治療で使用した充填剤が残っているのが確認できます。 この部分が細菌の温床になっている可能性もあるため、除去しながら内部の消毒、洗浄をしていきます。 除去が終わった状態です。   治療は問題なく進みましたが、根が薄くなっており、部分的に穴が空いている可能性が考えられました。 それが原因で完治しない可能性も考えられたため、MTAセメントの使用をお勧めしました。 MTAセメントは封鎖性が高いため、小さな穴や亀裂がある場合そこを封鎖し、菌の侵入を抑えることで改善してくれる場合があります。 しかし、使用したことで必ず治ると保証できるものではありません。 説明後、同意を得たため使用します。   治療後のレントゲン写真です。     治療前後で比較します。   根の周囲の黒くなっていた部分の骨が再生し、白くなってきているのがわかると思います。 症状もなくなり、患者さんにはとても喜んでいただけました。 今回改善することはできましたが、根管治療を受けた歯は強度がとても落ちているため、今後割れてしまうリスクがあります。 そういったリスクを出来るだけ回避するため、定期的に噛み合わせなどを歯科医院の検診でチェックしていく必要があると考えます。   MTAセメントは万能ではなく、充填剤の1種でしかありません。 それ以前の根管治療を基本に則りしっかり行うことで成功する確率が上がります。 ケースに合わせて、治療方法を相談しながら診療にあたっております。 お気軽にご相談ください。 治療期間 2ヶ月 治療費 ¥50,000  +  tax 治療のリスク 歯が割れてしまう可能性がある  

2024.09.30

10月の診療について

10月は休診日無く診療予定です。 矯正日は10月5日(土)、12日(土)、13日(日)、19日(土)、27日(日) 外科日は10月20日(日)です。   お口の中でお困りのことがありましたら、お気軽にご相談ください。  

2024.09.21

赤ちゃんのお口がポカン

みなさんこんにちは。 暑さの厳しい真夏が終わりそろそろ秋に突入ですね。 私は焼き芋が好きなのですがチーズを乗っけて食べるのが 大好きです。 オススメの焼き芋料理があったらぜひ教えてください。 さて、前回は口腔機能発達不全症についてお話ししました。 人間本来の鼻呼吸ではなく常に口で呼吸する子や 3歳を過ぎても唇を閉じるのが苦手な子が増えていることにより 機能の発達不足が起きています。 そして「唇を閉じるのが苦手」なため 近年お口がポカンと開いている子の割合が増えてきています。 2021年、このことを問題視した新潟大学の研究グループが3歳から12歳の子どもを対象に、 日本で初めて“お口ぽかん”(口唇閉鎖不全)に関する全国大規模疫学調査を行ったそうです。 そして小児期のお口ぽかんの有病率を明らかにしました。 非常に興味深かったので研究結果をシェアさせていただきます。 本研究成果のポイント 日本人の子どもたちの 30.7%が日常的なお口ぽかんを示していました。 日本全国のそれぞれの地域において、お口ぽかんを有する子どもの割合に差は認められませんでした。 お口ぽかんを有する子どもの割合は年齢とともに増加していました。 「唇にしまりがない」、「鼻がつまる」、「音を立てて食べる」など、12 の質問項目がお口ぽかんと関連していました。 子どものお口ぽかんは、自然の改善が期待しにくい疾病である可能性があります。 みなさんはこの結果を見て何を感じましたでしょうか。 私は、お口ポカンは「そのうち良くなる」ことはなく、 今は仕方ないね。 で、終わらせられないな!と強く感じました。 またなぜこの研究が大規模に行われたかというとお口が閉じていないことにより顎顔面の成⻑と発達が妨げられることにあります。 小児期に口や顔面の骨格、筋肉などの軟組織、咬合(かみ合わせ)、および⻭列弓(⻭並び)に不均衡が生じます。 特に、異常な話し方や嚥下習慣、舌を突出する癖、お口ぽかん(口腔機能発達不全症)、 口呼吸、および異常な食習慣などの口腔習癖は、子どもの口の健康な発達に深刻な悪影響を及ぼします。 中でもお口ぽかんは、口唇や顔の表情筋の弛緩と過緊張、口呼 吸、不自然な口唇の⻑さや鼻から下の顎の大きさの増加などと関連していますので歯並びに大きな影響を及ぼします。 赤ちゃんに見られるゆるっとした可愛いさは見つめていたくなりますが、 お口ポカンの健康被害は実に多いことがおわかりいただけましたでしょうか。 じゃあいつから(年齢)、どうやって気をつけたら良いか? 最後に記して今日のブログは終わりたいと思います。 それはズバリ、 赤ちゃんのうちからです。 お口が開いていて良いとされる時間は ご飯を食べている時やおしゃべりしている時、 大きな口を開けて笑っている時 そして運動をした後くらいでしょうか。 それ以外の時間は赤ちゃんのうちからお口がポカンとしないよう気をつけてみてください。 そして、どうやって気をつけたら良いか? それはズバリ年齢によって様々です。 どの年齢でも言えるのは「姿勢」に気をつけておいてほしいことでしょうか。 お子さんのお口がポカンと開いていて悩まれているパパママさんは ぜひ一度アズ歯科桶川院へご相談にいらしてくださいね。 次回は呼吸についてお話ししたいと思います。 それではまた♪

2024.09.12

唇を閉じるのが苦手な子や、口で呼吸する子が抱える「口腔機能発達不全症」

こんにちは、歯科衛生士の長崎です。 ブログを書き始めるぞと意気込んでいたのに、すっかり久しぶりの更新になってしまいました。 実は、わたしには2歳の息子がいます。今年の4月から保育園に入園し、私もワーママとして働き始めました。 そしたらびっくりするくらい毎日があっという間に過ぎてしまい、ブログまで手が回らなかった…という言い訳です。 少しずつ更新していくので、どうぞよろしくお願いします。 口腔機能発達不全症について さて、今回の投稿では「口腔機能発達不全症」についてお話しします。 前回は、子どもの口腔育成が大切だとお伝えしましたが、多くのパパママが心配するのはやはり『むし歯』ですよね。 最近では、むし歯にかかる子どもは減っている一方で、唇を閉じるのが苦手な子や、口で呼吸する子が増えてきています。 こうした背景を受けて、平成30年から「口腔機能発達不全症」という新しい疾患名が設定され、全国の歯科医院での支援が進められるようになりました。 口腔育成や口腔機能発達不全症という言葉はまだまだ普及していないように感じますが実は6年も前から問題視されていたんです。 そしてむし歯の問題より口腔機能発達不全症であるお子さんの割合の方がグングン増えてきています。 口腔機能発達不全症とは この「口腔機能発達不全症」とは、健康な子どもでも食べる、話す、呼吸するなどの口の働きが十分に発達していない、または正しく機能していない状態を指します。 たとえば、歯並びの乱れや噛む力の不足が原因で、食べることがうまくできない子や、正しい音を発音できない子がこれに当てはまります。 また、呼吸の問題も見逃せません。本来、鼻で呼吸するのが理想ですが、口で呼吸する子どもが増えていることが問題視されています。口呼吸は、歯並びや顔の形にも影響を与え、むし歯を悪化させる原因にもなります。 もし、お子さんが寝ているときにいびきをかいたり、口が乾燥していることが多い場合は、口呼吸をしている可能性があります。 これらの問題は、子ども自身が「普通」と感じていることが多く、最初に気付くのはパパママさんです。この機会に、お子さんの口元に目を向けてみてください。もし気になることがあれば、ご相談くださいね。 健康の土台を作るのは、赤ちゃん期から成人期までが非常に大切です。 今一度お子さんの口腔機能発達不全症が見られないかチェックしてみてください。 子どもの口腔機能を育てるために そうそう、子どもの口腔機能を育てるためには体を育てることも大切です。 最近は酷暑や急な悪天候が続き中々お外で遊ぶ時間も減ってしまうと思いますが室内でできる身体を使った遊びや児童館などうまく利用しお子さんの身体を動かしていきましょう。 水分補給もしっかりして(スポーツドリンクは要注意です)皆さんもお身体ご自愛ください。 次回のブログでは、「口腔機能発達不全症」で見られる具体的な状態について詳しくお伝えしようと思います。キーワードは【お口ポカン】です。 ぜひまた覗きに来てください。

2024.09.04

矯正は大人になってからでも遅くはない

矯正相談で来院される方は以前に比べ大人の方も増えてきています。 矯正は子供の頃から始めるイメージが強いかもしれませんが、大人になってからも矯正は可能です。 矯正治療は 子供の頃(乳歯の段階)から始める矯正治療:1期治療 大人になってから(全て永久歯)から始める矯正治療:2期治療 に分かれます。   ○1期治療の特徴 歯並び、骨格がまだ完成していない段階からの治療のため、顎の骨の成長が良い方向に進むよう促し、できるだけ矯正のための抜歯が必要にならないようにするための治療です。 歯磨きが難しい年齢で、固定式の装置だと虫歯のリスクがより上がってしまうため、当院では基本的に取り外し可能な装置を使用します。 上下の前歯と6歳臼歯が生えてくる小学校低学年ごろからスタートすることが多いです。 全て永久歯に生え変わり成長がある程度落ち着いてくる、中学生ごろまでを1期治療にあてます。 治療期間が長くなり、装置の使用は自宅のため、ご家族の協力が必要になる部分がデメリットになります。   ○2期治療 いわゆる成人矯正にあたります。 骨格が完成しているため、顎の成長は見込めず、現状の骨格の中で歯を並べていく必要があります。 そのため、がたつきの多い歯並びであれば抜歯をしてスペースを作った上で歯を並べていく必要があります。 また、それでも不十分なケースであれば、矯正用のインプラントなど補助的な装置も必要になる場合があり、装置が取り外せないため、虫歯や歯周病のリスクが上がり定期的なクリーニングが必要になります。 しかし、1期治療に比べると治療期間が短くできるメリットがあります。   それぞれのメリット、デメリットがあるためケースに合わせてどちらが適切か判断し、相談の上、治療にあたっていきます。   今回のケースです。 矯正相談で来院されました。 40代女性の方です。 上下の前歯のがたつきが特に気になる、八重歯を治したいとのことでした。 口腔内をチェックした段階で、 歯を並べるためにはスペースが足りず、抜歯が必要になることが予想されました。 今回は2期治療、成人矯正治療にあたります。 抜歯に関しては抵抗がないとのこと。また、治療期間がかかること、保険外治療であることに同意を得たため、矯正検査を行いました。 検査の結果、上下4本の歯を抜歯すること、上の前歯を後ろに引く際の固定源として矯正用のインプラントを使用する必要がありました。 内容を説明し、同意を得て、治療に移行します。   矯正用インプラントを上顎に処置し、下に装置をつけるところから始まります。 装置装着後、歯の動く痛み、口内炎や話しずらさなどは出ますが、次第に慣れていく方がほとんどです。 月に1度、装置を交換、調節しながら矯正治療を進めて行きます。   矯正治療の後半、仕上げに近づいている段階です。 この後、まだ残っている歯を抜いたスペースを閉じていきます。   矯正治療が終わりました。 前歯のがたつきもなくなり、八重歯もきれいに解消されました。 噛み合わせも安定しています。 歯並びが良くなったことで、歯磨きもしやすくなり、今後の虫歯予防、歯周病予防にもつながります。 矯正治療には年齢やケースによって段階があります。 型にはまった治療方法ではなく、患者さんそれぞれに合わせたオーダーメイドの治療が必要になります。 今回はワイヤー矯正のケースでしたが、マウスピースでできるケースもあります。 また、抜歯をせずに治せる場合もあります。 その治療方法を決めるには正確な検査と診断が大切です。 当院では矯正専門医が3名治療にあたり、その他の歯科医師も矯正治療対応が可能です。 外科専門医と連携した難易度の高いケースも行っております。 お気軽にご相談ください。 治療期間 2年3ヶ月 治療費 ¥1,000,000  +  tax 治療のリスク 矯正後に歯が後戻りする可能性がある  

2024.09.03

歯が折れてしまうとは?

「前の歯医者さんで根管治療を続けているけど、なかなかよくならなくて」 というお悩みで来院されました。   奥歯にセメントが詰まっています。   レントゲンを撮って見てみましょう。   矢印のところに注目してください。 根管治療をしている歯の根の先っちょのところが黒くなっていますね。   病巣です。 根管内の感染源が骨の中まで広がり、炎症を起こしているのです。   病巣の範囲を詳しく調べるために歯科用コーンビームCT検査をしました。 骨の中に透過像と呼ばれる黒い影を確認できます。   別の角度から見ています。 じつはこの時点で、炎症が骨の中の下歯槽管と呼ばれる神経や血管が入った大事な部分のすぐ近くまでおよんでいることがわかりました。 ここまで炎症が波及すると、最悪の場合、唇にしびれや痛みが出てくることもあるのです。   炎症を治すために、当院で根管治療を開始します。   白いセメントをとってみました。   のぞいてみると、中に感染源と思われるブヨブヨしたものが見えます。 これらをすべて取り除き洗浄したのち、代わりにキレイな詰め物で根管と呼ばれるこの穴を塞ぎます。   根管充填後のレントゲン写真です。 白く見える部分が当院で詰めたセメントです。   この時点ではまだ根の先っちょの黒い透過像、すなわち炎症により溶けてしまった骨はできてきてません。 ここから数ヶ月待ち、炎症が治ってくるか経過を見てみます。     半年後の歯科用コーンビームCT検査の写真です。 いかがでしょうか。 根の先っちょの黒い影が消えました。 炎症が治り、再び骨が回復したのです。   術前術後で見比べてみましょう。   術前 術後   根の先っちょの炎症、根尖病巣はすっかり良くなりました。   これで一安心かと思われましたが、、、     矢印のところを見てください。   新たに別の部位に炎症と思われる骨の吸収を認めました。     噛み合わせを見ています。 矢印の部分です。 根管治療後の歯は失活歯(しっかつし)といって歯髄がないため歯が脆くなります。 噛む力で歯が折れてしまい亀裂(クラック)が入ると、先ほどのようなレントゲンの炎症像がひろがるのです。   残念ながらこうなると炎症をおさえることはできず、骨がどんどん吸収していくので、歯周組織(歯ぐきや骨)を守るために治療として抜歯が必要になります。     抜歯後の歯を見ています。 赤く見えるのは歯根膜といって歯根と骨をつなぐ大事な組織です。 これが右側にはないことがわかります。   抜歯した穴を見ています。 骨が見えていますが、一部は溶けてブヨブヨした炎症組織になっています。 これがレントゲンで黒く見えていた部分です。 歯が原因で炎症が起きていたので、抜歯をすれば自然に治ります。   あらためて抜いた歯を確認してみましょう。   先ほどお話しした歯根膜がなくなっている部分をよく見てみると、 この中央のあたりから、   こちら側までのびて、   ここまで亀裂が入っていることがわかりました。   このように折れているところに炎症が起きることで、 歯根膜がなくなり、骨が溶けていくのです。   いわゆる歯周病が進んでしまい、この歯の周りの歯ぐきが腫れてきて、 噛むと痛みがあったり、次第に歯がグラグラしてくるようになります。   炎症がひろがれば隣の歯に影響がでてくることもあります。   この亀裂に気づかずに歯周病が進行することは避けたいものです。 そのためには、定期的な検診、そして必要があればCTなどの精密な検査、診断が必要です。   気になる方は一度ご相談ください。   治療期間 8ヶ月 治療費 保険診療 治療のリスク 歯根が破折する可能性がある  

2024.08.25

9月の診療について

9月25日(水)は機器メンテナンスのため17:00までの診療。   その他の診療については毎日診療を実施しております。 ‌   矯正日は9月7日(土)、8日(日)、14日(土)、15日(日)、21日(土)、29日(日) 外科日は9月16日(月)です。   お口の中でお困りのことがありましたら、お気軽にご相談ください。  

2024.08.21

お盆期間の診療について

いつもご来院ありがとうございます。 当院はお盆期間も通常通り9:00~19:00で診療しております。 お口のことでお困りごとがある方はいつでもご相談ください。 ‌

2024.08.07