その親知らず抜歯できますよ
「親知らず抜歯した方がいいですか?」 患者さんによく聞かれます。 親知らずは必ずしも抜歯する必要はないと考えます。 ⚪︎口の中に生えていて、虫歯になっている ⚪︎汚れが溜まり、歯茎が腫れたり痛むことがある ⚪︎痛みも虫歯もないが、口腔内にあることによって問題を起こす可能性がある場合 ⚪︎抜歯によるリスクとメリットを比較し、メリットの方が高い場合 上記の場合に抜歯をお勧めすることがあります。 最終的には患者さんの判断になりますが、抜歯は年齢が若く、痛みがない状態の方が難易度は下がります。 そのため、痛みが出たり虫歯になることが心配であれば早めの抜歯をおすすめします。 今回は口の中に親知らずが見えて気になるため、抜歯の相談希望で来院された患者さんです。 初診時の口腔内写真です。 向かって左上の1番奥の歯の後ろに親知らずが少し見えています。 痛みはないが、食べ物が詰まるのと汚れが入っていきそうで心配とのことです。 この部分の汚れを取ることは難しく将来的に痛みが出てくる可能性があります。 レントゲンを撮影し、どのような形をしているのか、どのように生えているのか確認します。 向かって左側の横を向いているのが親知らずです。 立体的に確認するためにCTを撮影します。 上の画像で赤い線で囲まれた部分が骨の中にある神経と血管が通る空洞です。 この部分と親知らずが近接していると、抜歯の際にかかる力や抜いた後の腫れによる圧などで神経が圧迫され麻痺が出てしまう可能性があります。 顎周りの感覚の神経なので、触った時に感覚が鈍くなってしまうリスクがあります。 もし麻痺が出た場合は、腫れを抑える薬、神経を活性させる薬などを処方して経過を見ることになります。 今回のケースも親知らずと神経がかなり近いため、リスクをしっかり説明します。 患者さんは抜歯を希望されたため、処置を行います。 抜いた歯の写真です。 横に向いている歯をそのまま抜くことはできないため、分割し小さくして抜歯します。 一部歯茎に切開を入れるため糸で縫いますが、周囲の骨はほとんど触らずに抜歯するためあまり腫れません。 腫れの少なさに患者さんも驚いていました。 ほとんどのケースでロキソニンなどの鎮痛剤で痛みは十分抑えることができます。 数日後に消毒、1週間後に糸を抜いて傷の確認を行います。 その際に問題がなければ治療は終了です。 今回の様に神経が近く深い位置にある親知らずは大学病院などの大きな医院での抜歯を勧められることが多いと思います。 当院でもケースによっては他院を紹介したり、抜歯自体をお勧めしないこともあります。 しかし、口腔外科専門医2名が在籍しているため、ほとんどのケースは当院での対応が可能です。 お気軽にご相談ください。 治療期間 1週間 治療費 保険診療 治療のリスク 抜歯後に腫れや痛みが出る可能性がある 抜歯後に麻痺が出る可能性がある
2025.05.06