インプラント手術は歯を失ったところの骨に、
チタンという金属でできた人工的な歯根を埋めることが目的です。
イメージだとこんな感じです。
インプラントを入れる部分を決めて、どういう方向に埋めるか。
隣の歯との距離、骨の厚み、被せ物の方向、骨の中の血管や神経との位置関係など、
考えなければならないことはたくさんあります。
それを手術の時に考えているのかというと、そうではありません。
どうすれば手術が上手くいくのか、綿密に計画を練っているのです。
手術を成功させるためには、事前の準備がとても大切です。
その準備、つまり手術のシミュレーションを行う必要があるのですが、
そこで登場するのが、CT (三次元的に歯や骨の状態を見ることが可能なレントゲン写真) です。
本日は、CTを用いたインプラント手術のシミュレーションの一例をお見せします。
こちらの写真をご覧ください。
これから下の奥歯を一本失ったしまった部分にインプラントを埋める手術のシミュレーションを始めます。
撮影したCT画像がこちらです。
CTはスライスした平面像を組み合わせることで三次元的な立体像として見ることができます。
予定しているインプラントは赤く示されている部分です。
歯は皮質骨という硬い外側の骨に囲まれており、
インプラントもそこに埋めなければなりません。
顎の骨の奥に走行している神経や血管、
そして噛み合う上の歯との位置関係を見ています。
隣の歯との距離、方向も考えます。
以上を踏まえた上で、三次元的にインプラントを埋める位置をシミュレーションしたものがこちらです。
赤い部分がインプラント、ピンクの部分は骨の中を走行する血管、神経を示しています。
こうして手術前にインプラントを埋めるベストなポジションがわかりました。
ちなみに、手術後に撮影するレントゲン写真ではこのように写るだろうという予測も立ててみました。
それでは実際の手術です。
苦手な方はスクロールして飛ばしてください。
事前に予測していた通りの骨の状態でした。
イメージしていた通りにインプラントを埋めることができました。
術後にインプラントの位置を確認するためのレントゲン写真を撮ります。
こちらです。
白く見える部分が手術で埋入したインプラントです。
隣の歯の根を見てください。
インプラントも他の歯根と同じ方向を向いており、そして適切な距離に位置しています。
理想的な位置にインプラントを埋めることができました。
あとはインプラントが骨と結合するまで数ヶ月待機したのち、
被せ物を作って噛める状態にします。
手術前のシミュレーションと手術後のレントゲンを見比べてみましょう。
手術前シミュレーション
手術後レントゲン写真
ほぼ同じ、つまりシミュレーション通りです。
このように、手術を成功させるためには事前に行うCT検査と、それを多角的に分析して組み立てる治療計画が大切になります。
当院では安全なインプラント手術を受けていただくために、皆さんにCT検査を受けていただいています。
気になる方は一度ご相談ください。
治療期間 | 3ヶ月 |
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治療費 | ¥250,000 + tax |
治療のリスク | 手術をする必要がある。 |