骨が足りないと言われ諦めてませんか?その2
インプラントを検討する際、骨が少ない場合は
既存の骨に入るサイズのインプラントを選択する
または
骨を増やして理想的なサイズのインプラントを選択する
に分かれます。
しかし、骨の量が極端に少ない場合はインプラント自体が難しいことがあります。
今回のケースです。
左上の奥歯が抜歯になり、その後の治療でインプラントを希望された方です。
処置前のレントゲンです。
上の奥歯に歯がないのが分かると思います。
通常のレントゲンだけだと正確な診断ができないためCTを撮影します。
横から見たCT画像です。
正面から見たCT画像です。
上顎の上方には副鼻腔(上顎洞)と呼ばれる、鼻とつながる空洞が存在します。
下の赤線で囲まれた部分です。
この部分にインプラントが飛び出してしまうと鼻に炎症を起こす可能性があるため、その下の骨の内部で留める必要があります。
今回の画像をみるとわかりますが、骨が極端に少ない状態です。
どのサイズのインプラントが適切か判断するため
CT画像を使用し、インプラントのシュミレーションを行います。
後ろのインプラントが副鼻腔に飛び出してしまうのがわかると思います。
正面から見た画像です。
インプラントの半分以上に骨が足りない状態です。
現状の骨の状態でインプラントを行うこと自体が難しいと判断できます。
この場合は骨を造成し、インプラントを埋入するための土台を作る必要があります。
今回サイナスリフトと呼ばれる術式をインプラントの手術と併用して行う計画を立てました。
『サイナスリフトとは?』
下の図のように上顎の骨が少なく、副鼻腔との距離が近く骨を盛り上げる場合に選択する治療方法です。
歯茎を切開し、副鼻腔につながる骨を一部削除します。
副鼻腔内の粘膜を破らないように慎重に上方に持ち上げていきます。
それによってできた副鼻腔内の空洞に人工骨を填入します。
骨を盛り上げた部分にインプラントを埋入します。
この人工の骨が既存の骨と一体化するまで待機します。
実際の処置後です。
下の歯と本数を揃えるため、計画を再立案し3本のインプラントを埋入しました。
インプラントの上にドーム状に広がっているのがサイナスリフトを行い填入された人工骨です。
予定通りの場所に、予定通りの方法でインプラント手術を終えることができました。
ここから、人工の骨が安定し既存の骨と一体化するまで8ヶ月ほど待ち、被せ物の作製をしていきます。
サイナスリフトを行うことで通常のインプラント治療に比べ待つ期間は長くなりますが、骨の厚みが増え長期的にインプラントが安定できる状態になります。
残っている骨の量や厚み、幅によって治療の術式、選択するインプラントの種類は様々です。
CT撮影を行い立体的に骨の状態を評価し、治療方法を相談しています。
また、当院には複数の口腔外科専門医、外科治療経験豊富な歯科医師が診療にあたっています。
難易度の高いインプラント治療にも対応しています。
お気軽にご相談ください。
治療期間 | 8ヶ月 |
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治療費 | ¥800,000 + tax |
治療のリスク | インプラントが歯周病になる可能性がある |