この親知らずは抜歯すべき?
親知らずは抜いた方がいいですか?と色々な場面で聞かれます。
抜くのをおすすめする場合が多いのですが、実際は親知らずの生え方によると考えています。
①真っ直ぐに生えている場合
虫歯ができていたり、磨き残しが多い場合は抜歯をおすすめします。
また、例えば上の親知らずのみ残存しており下の親知らずがない場合は、上の歯が少しづつ落ち下の歯茎にぶつかり痛くなる場合があるため抜歯をおすすめします。
真っ直ぐ生えていても痛む場合も同様です。
②横を向いている場合
基本的には汚れが溜まりやすく、痛みを繰り返す場合が多いため抜歯をおすすめします。
しかし、親知らずの下方の顎の骨の中には太い神経と血管が通っています。
そのためどのケースにおいてもその神経との位置関係をしっかり確認して抜歯可能かどうか判断する必要があります。
神経と距離が近くリスクが高い場合は、痛みなどがあっても抜歯を回避し、痛みが出ない様定期的に経過を診ていくケースもあります。
今回は親知らずの抜歯相談で来院されたケースです。
処置前の写真です。
左下の親知らずが少し口の中に出ています。
食べ物がよく挟まり、たまに痛みも出るとのことです。
レントゲン写真で親知らずの生え方を確認します。
横を向いており、手前の歯との間に汚れが溜まりやすく、虫歯や歯周病のリスクがある状態です。
痛みなどの症状が出ること、横を向いていて周囲の歯への悪影響の可能性も考慮し、抜歯をお勧めしました。
抜歯にあたって、親知らずの下方にある神経の位置をC Tで確認し、抜歯に伴うリスクを説明します。
抜歯後の写真です。
周囲の骨や組織を傷つけないよう、頭の部分で歯をカットし抜歯しました。
傷口も出来るだけ最小限になるよう注意を払いながら行います。
抜歯後1週間で糸を取った状態です。
まだ少し抜いた後の穴はありますが、このままゆっくり閉鎖していきます。
その間食べ物が詰まりやすい感覚はありますが、内部には歯茎ができているため感染などを起こすことはほとんどありません。
腫れや痛みも大きく出ることもなく、患者さん自身も思ったより楽だったとびっくりしていました。
親知らずは必ずしも抜かなければいけない訳ではありません。
しかし、生え方や口腔内の状況によって抜歯が必要な場合もあります。
その場合には、しっかりと診断し適切な手技によって抜歯が行われるべきです。
当院ではCTなどで細かく位置を把握し、口腔外科専門医での抜歯を行なっています。
他院にて抜歯は難しいと相談を受けたケースもお気軽にご相談ください。
治療期間 | 2週間 |
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治療費 | 保険診療 |
治療のリスク | 抜歯後、痛みや腫れが出る場合がある |