症例集

桶川の歯医者|アズ歯科 桶川院

子供の噛み合わせが気になるなら

お子さんの歯並びを心配されて相談に来院される保護者の方は多くいらっしゃいますが、歯並びが悪くても矯正が適用になる年齢は患者さんやケースによって異なります。 前歯が永久歯に生え変わる時期、また奥歯に6歳臼歯が生えてくる頃に矯正を始めるのが一般的と考えています。 しかしケースによってはもっと早く矯正の介入をした方が良い場合もあるので、歯科医院での定期的なチェックをお勧めします。   今回は前歯の歯並び、噛み合わせが気になると来院された患者さんです。 初診時の口腔内写真です。 前歯の噛み合わせが逆になっているのが分かると思います。 上の真ん中の前歯2本と下の前歯4本は永久歯です。 また、真ん中から向かって左に2本目は乳歯ですが、これも反対の噛み合わせになっています。 今の状態は歯の生える向きの問題、上顎の前方への成長不良によるものと考えます。 この状態のまま放置しておくと、下の前歯が上の前歯に押されるため下顎が前方に成長していってしまいます。 それにより骨格的な問題が出てしまう可能性があります。 そのため早めの改善を目指し、矯正治療をおすすめしました。 また、上顎の前方への成長不良の原因として口呼吸や舌の使い方が間違っていることが考えられます。 これに対して、理学療法士と専門の衛生士によるトレーニングも同時並行で必要と判断しました。   矯正の検査を行い現状の分析、どんな治療が必要かを調べます。 本人、保護者の方に説明し治療に移ります。 当院での小児矯正で使用するものはほとんどが取り外せる装置です。 基本的には学校から帰ってから、自宅で使用してもらい、夜間の使用もお願いしています。 最初は違和感があり使いづらいこともありますが、子供の順応性は早く、すぐに慣れる子がほとんどです。   約半年間の装置の使用とトレーニング後の写真です。 前歯の噛み合わせは正常になりました。 隣の乳歯の噛み合わせも改善されています。 歯並びは後戻りする可能性があるため、一定期間使用を継続し経過を見ていきます。   さらに1年後の写真です。 上下とも前歯は全て大人の歯に生え変わりました。 噛み合わせも歯並びも大きな異常はありません。   治療前後で比較します。 治療前 治療後   今後は全ての歯が永久歯に変わるまで歯科検診と合わせて定期的にチェックしていく予定です。 今回のように早い段階で治療に介入できると、治療期間も長期にかからずに済む場合があります。 もし、全て永久歯に変わってからの相談であれば、骨格的な問題が出ている可能性があり、通常の矯正では治せないこともあります。 虫歯も歯並びも早期に介入できた方が楽に改善できる場合が多くあります。 歯科医院での定期的なチェックをおすすめします。   よくある質問 ここで患者さんからよくある質問を挙げたいと思います。 Q:痛みはありますか? A:歯茎に当たって痛むことがありますが、その場合は使用を中断し医院に持ってきてもらえれば調整できます。 Q:通院頻度はどれくらいですか? A:基本的には月1回の通院をお願いしています。 Q:期間はどれくらいかかりますか? A:大人の歯が生え揃う頃までチェックする場合がほとんどです。 治療期間 1年半 治療費 ¥450,000 + tax 治療のリスク 装置が当たって痛い場合がある。 歯が後戻りする場合がある。  

2025.10.16

前歯から奥歯までのブリッジ

歯周病で歯がグラグラしてしまって来院された患者さんです。 長年お悩みだったようです。     グラグラしてる影響か、前歯が傾いてきてしまっています。 歯ぐきの周りに歯石がついているのが見えます。     歯ぐきも赤く腫れ上がっていますが、 歯周病はそこまで痛みがないので 気づかないうちにここまで進んでしまっていた、なんてこともよくあります。   自覚症状は強くないですが、 重度歯周病の歯はほうっておくとどんどん周りの骨を溶かしていってしまうので、 抜歯をすることで骨の炎症を治さなければなりません。     奥歯も残っていますが歯周病で根元まで見えてしまっていたり、 歯の向きが変わってしまっているところもあります。     下の大臼歯とよばれる奥歯はもうありませんでした。 このままだと傾いた前歯のあたりで噛むことが続き、 より歯周病の進行を早めてしまいます。   以上のことから、 歯周病の原因となる歯石(歯周病菌のかたまり)をとるために全体的にクリーニングを進めながら、 奥歯でしっかり噛めるように歯を作り、前歯の見た目も改善していきました。     治療後の写真です。 前歯はブリッジとよばれる治療法で治しました。     根元の歯ぐきは赤みがなくなり健全な状態になりました。 奥歯でもしっかり噛めるようにすることで前歯にかかる負担を軽減しています。     前歯の傾きも改善して、上下の前歯が本来の位置関係で噛めています。 ただ、歯周病の影響で歯ぐきが下がっており、そこのブラッシングはしっかり続けていく必要があります。     歯一本一本だとグラグラしてしまうような状態でも、 ブリッジといってかぶせ物でつなぐことで全体として強度が上がるようにしています。     下の奥歯はインプラントを入れることで噛める範囲を増やしています。 お口の全体を使って噛むことは、 一部の歯に負担がかかることを防ぎ、 歯を長持ちさせることにつながります。     治療の前後を見比べてみましょう。   治療前 治療後   治療前 治療後   治療前 治療後   治療前 治療後   治療前     いかがでしたか? 歯がグラグラして噛みづらい ボロボロだけど治療できるのかな 前歯の向きが変わってきた などのお悩みをお持ちの方はぜひ一度ご相談ください。   治療を始めてから終わるまでに数年かかることもありますが、 最後までしっかり治療をやりきる気持ちがあれば大丈夫です。 いっしょに頑張りましょう!   治療期間 2年 治療費 ¥2,200,000(税込) 治療のリスク 欠ける可能性がある、歯にかかる負担が増える可能性がある

2025.10.10

目立たない入れ歯

歯を失ってしまった場合の治療方法には ブリッジ、入れ歯、インプラントが考えられます。 口の中の状況、残っている歯の本数、費用などにより、どの治療が1番適しているかが変わってきます。 特に複数本の歯を失っている場合、ブリッジが適用できない場合があります。 その際に選択できるのが、入れ歯かインプラントになります。   インプラントはしっかり噛むためにとても良い治療方法だと考えますが、 金額がかかってしまう 外科処置が必要なため全身状態が不良な人にはリスクがある 治療期間がかかる などのデメリットがあります。   そういったことを考慮して入れ歯を選ぶ患者さんもいらっしゃいます。   今回は入れ歯の相談で来院された患者さんです。 元々、入れ歯を使用していたが、歯にかける金具が見えるのが気になるとの事です。 治療前の口腔内写真です。   下の歯は2本のみ残存しており、その部分に入れ歯をかけている状態でした。   正面から口元を見ると、歯にかけている入れ歯の金具があるのが分かります。   今回は歯の本数が少ないため、ブリッジを選択することができないのと、治療期間、金額の面を考慮し目立たない入れ歯を検討することになりました。 通常、保険の入れ歯では金具を使用する必要があります。 そのため、金属を使用しない保険外の入れ歯、ノンクラスプデンチャーをおすすめしました。     ノンクラスプデンチャーとは歯茎の色に近い特殊な樹脂を使用します。 利点 柔軟性があり、フィット感が高いため違和感が少なくなる。 入れ歯が歯を包み込む設計のため、周囲の歯に負担をかけづらい。 入れ歯の下に食べ物などの汚れが入りづらい。 金属を使用しないため、金属アレルギーの心配がない。 審美的である。   欠点 保険外治療のため費用がかかる。 歯の状況によって適用できない場合がある。   同意を得て、治療に移ります。 保険外専用の材料を用い、精密な型取りを行います。 そして歯と歯茎の形に合わせた入れ歯を作成していきます。 ケースにもよりますが、 型取り→咬み合わせの記録採取→試適→完成といった流れで進みます。 4−5回の来院が必要になることが多いです。   完成し装着した状態の口腔内写真です。   口元の写真です。 金具を使っていないため、入れ歯を装着しているのが外から見ても分かりづらいと思います。 審美面のみではなく、入れ歯の下に食べ物が入りづらく、硬いものもよく噛めると患者さんに大変喜んで頂けました。 患者さんのお口の状態によって、ブリッジ、インプラント、入れ歯の中で1番適した治療方法は異なると考えています。 一人一人の患者さんとしっかりとお話しをした上で治療方法を検討していきます。 お気軽にご相談ください。   よくある質問 ここで患者さんからよくある質問を挙げたいと思います。 Q:入れ歯はすぐ作れますか? A:残っている歯の状態が問題なければすぐに型取りを行い、作成可能です。ただし、治療が必要な歯があれば、まずその歯の治療を行った上で型取りをする必要があります。 Q:痛みが出ますか? A:新しい入れ歯を装着する際には歯茎に当たって痛い場合があります。また、長期的に使用していくと歯茎の形も変化してくるため痛みが出ることもあります。その際は入れ歯の調整をすれば痛みを取り除くことが可能です。 Q:メリット、デメリットを教えてくだい。 A:メリット:周囲の歯を削らない。治療期間が短く済む場合がある。        デメリット:違和感がある。噛む力があまり発揮できない。材料にもよるが審美面に影響が出ることがある。   治療期間 1ヶ月 治療費 ¥150,000 + tax 治療のリスク 材料が欠けてしまう可能性がある。 長期的に使用すると調整が必要な場合がある。      

2025.10.03

すきまを埋める「ダイレクトボンディング」

矯正治療後、数年して、 当時治療したときの材料が茶色くなってきたのでキレイにしたい、 ということで来院されました。   前歯が2本少なく、矯正治療で位置をよせたものの、 少し残るすきまをコンポジットレジンという白い樹脂の材料で埋めたようです。     歯の表面にコンポジットレジンを接着しているのですが、 接着力が弱くなり、その境目に着色がみられたり、   コンポジットレジンそのものが吸水、変色してしまっているようです。 そのせいでどこが材料でどこが自分の歯なのか、 だれが見てもわかるようになってしまっています。   この角度で見ると歯の表面に材料をくっつけているのがわかりやすいかと思います。 以前の治療では犬歯にのみ盛り足しているので、 犬歯が大きく見えてしまいます。     そこで、まずは当時の材料をキレイに削り取ります。 自分の歯を削るわけではないので痛みはありません。   もとの歯の形が見えるようになりました。 前歯の形が少し細く見えるのですが、 これは以前の矯正治療で歯を動かすために少し削られたと聞きました。   なので今回の治療では、 この前歯と犬歯のあいだのすきまをコンポジットレジンという材料を使って埋めていきます。   治療前 治療後 できるだけ治療しているとわからないように、 つなぎ目がわからないように形や色を考えて盛り足していきます。   治療前 治療後 今回は犬歯だけでなく、前歯にも材料を足すことで、 歯の大きさをそろえています。     治療前 治療後 いかがでしょうか。 歯の表面に材料を接着しているだけなので、 歯を削る必要はありません。   なので、痛くないのです。   これがダイレクトボンディングという治療です。   ご興味のある方はぜひ一度ご相談ください。   治療期間 1日 治療費 ¥110,000(税込) 治療のリスク 欠けたり、変色する可能性がある

2025.09.20

「保険 白い歯」と検索している方へ

「銀歯、いやだなぁ」   昔、むし歯の治療したところ、銀歯にしたけど、 やっぱり白い歯がいいなーって思っている方へのお話です。       ズバリ、条件によりますが、   できます。   現在、保険診療でも白い材料でむし歯の穴を詰めることができます。   残っている歯の本数などで制限があるので、 できない場合もありますが、   1本ごとのむし歯治療であれば、 多くのケースで白い材料を選択できるようになってきています。   この患者さんもそんなお悩みで来院されました。     以前、奥歯のむし歯治療で銀歯を入れたようです。 よく見るとわかりますよね。   銀歯をつけてしばらくするとセメントがゆるみ、スキマができてくるので、 そこから再びむし歯になることもあります。   銀歯の部分が心配なので外して中を見てほしいというご依頼で始めました。     銀歯を外すと、、   こんな感じで以前むし歯治療したときの穴が見えてきます。   以前治療された銀歯の中は、   こんな感じになっていました。 黄色く見えるのが歯の内部の象牙質という部分です。   銀歯を削って外すときは中の象牙質が露出するので、しみてしまうことが多いです。 なので治療の際には麻酔をすることがほとんどです。     銀歯の下では、セメントが劣化して黒くなっていたり、 その内部でむし歯がひろがっていたりするので、   その部分を削ってきれいにします。   残っている歯の状態によっては、 コンポジットレジンという材料でその穴を埋めて治療おしまい、 なんてこともありますし、   今回のように欠損が大きい場合は強度などの面から、 歯型をとって、 CAD/CAMインレーとよばれる白い材料(ハイブリッドレジン)で歯の形を作製、 後日来院時につける、という場合もあります。     今回はCAD/CAMインレーを選択しました。     治療の前後を見比べてみてください。   治療前   治療後     いかがでしょうか? 保険診療で使用できる材質では強度の面で金属より劣るため、 場合によっては治療前より歯を削る量が増える可能性もあります。   なので、 銀歯が入っている人みなさんにオススメできるわけではないです。   ただ、 銀歯が古くなってきて気になる方は、 その銀歯を外してむし歯の治療後、 次に詰める材料として、 保険治療でも白いものを選択できるようになってきていることを知っておいてほしいと思います。   治療期間 2ヶ月 治療費 保険治療 治療のリスク 欠ける可能性がある  

2025.09.12

CAD/CAM冠とセラミックの違いはここに出る!

奥歯に保険治療のCAD/CAM冠や、 自費治療のセラミック(ジルコニア)冠が入っている患者さんです。   じつはこの見えているあたり、ほとんどかぶせ物なんです。 治療時期や治療した医院が違うため、材質もさまざまなものが入っています。   下の一際白い歯がセラミック冠です。 色に関しては患者さんのお好みで調整は可能です。     見た目はセラミックのほうが綺麗に仕上がります。   「奥歯だから見た目はそこまで気にしないよ」 という患者さんもいらっしゃいます。     ただ、ここで差が出てくるのです。 白い歯がセラミック冠、 その右の歯が保険治療のCAD/CAM冠です。   定期検診時に、 歯垢がピンク色に染まる検知液を使って、 みがき残しを確認したときの写真です。   CAD/CAM冠の周り、歯ぐきのあたりにピンク色に染まった歯垢がたくさんついているのがわかります。   イラストで見るとこの辺りですね。   ここに歯垢がたまる状況が続くと、、、       むし歯菌がかぶせ物の中に再びむし歯を作ってしまったり、 歯周病菌が歯ぐきに炎症をおこし、歯ぐきが下がってきてしまったりする原因となるのです。   そうならないようにするためにも、 歯ぐき周りの歯垢が効率よくとれるように歯ブラシの当て方も大事なのですが、 そもそも歯垢がつきづらい材質のかぶせ物にすることで、 今後のむし歯の再発や歯周病進行のリスクを減らすことに繋がるのです。   みなさんがかぶせ物の材質を選択するときの参考にしていただけたらと思います。   治療期間 2ヶ月 治療費 ¥50,000 +  tax 治療のリスク 歯を削る必要がある  

2025.09.03

歯を抜いた日にインプラントを入れることもできます

歯を抜いた場合、その後の治療の選択肢として インプラント、ブリッジ、入れ歯があります。 基本的にはどの治療を選択しても、抜いた穴がある程度治るまで次の治療に進めず、待機する期間が出てしまいます。 しかし、ケースによっては歯を抜いたのと同じ日にインプラントを入れることができる場合があります。   今回は前歯の治療相談で来院された患者さんです。 左上の前歯が腫れを繰り返し、他院で抜歯を勧められたそうです。 周囲の骨がないため、抜歯後はインプラントは難しくブリッジを提案されていました。   実際にお口の中を見ていきます。 左上の前歯(向かって右側)には昔に治療したセラミックが入っています。 周囲の歯茎が赤くなっており、それは歯茎の内部で炎症が起きているためと考えられます。   CTで骨の状態を確認します。 正面から見た画像です。 前歯の根の周囲が黒くなっているのが確認できると思います。 横から見た画像です。 こちらでも同様な状態が確認できます。 これは根の周囲の骨が細菌の感染により溶けてしまっている状態だと考えられます。 この状態ですと、抜歯が適用になることを説明しました。   周囲の骨が少ない状態で、ブリッジを選択する先生が多いと思います。 また、ブリッジであれば保険が適用できるため希望する患者さんも多いと思います。   診断の結果 ①抜歯後、経過をみてブリッジを選択する ②抜歯後、骨の状況をみてインプラントを選択する が考えられました。   相談したところ、今回は両隣の歯が健康で治療をしていない歯だったため、可能であればインプラントを希望したいとのことでした。   口腔外科専門医とシュミレーションを行いインプラントの計画を立案します。 抜歯と同時に人工の骨を用いてインプラントを埋入。 可能であれば同日に仮歯を作成するところまで進めることにしました。   処置後のレントゲン画像と口腔内写真です。   下の画像の赤い丸の部分に人工の骨を添加していますが、それ以外のインプラントの周囲は自分の骨に噛み込んでいるため、しっかりと固定が取れました。 それにより、当日に仮歯を装着することが可能となりました。 しかし、強い力を加えてしまうと固定が緩んでしまう可能性があるため、インプラントの部分の噛み合わせを弱くし、前歯であまり噛まないように説明しました。   この状態で人工の骨が自身の骨に置き換わるまで約半年程待ち、問題が出なければ最終的な被せ物(今回はセラミック)に置き換えていく予定です。   このように、費用、期間はかかりますが、ケースを慎重に精査して処置を行えばできるだけ治療回数の少ない、ダメージの少ない治療が可能になる場合があります。 口腔外科専門医とインプラントを含む難易度の高い治療にもあたっております。 お気軽にご相談ください。   よくある質問 ここで患者さんからよくある質問を挙げたいと思います。 Q:痛みや腫れはでますか? A:処置後、1−2日くらいに腫れのピークが来ますが、表面から見てあまり分からない程度の腫れで済む場合が多いです。痛みは、鎮痛剤を服用すればコントロールできる程度で、数日でおさまることがほとんどです。 Q:処置時間はどれくらいですか? A:抜歯と人工骨の添加、インプラントの埋入までで40ー60分程度。仮歯の作成で40分ほどかかります。 Q:ブリッジと比べたメリット、デメリットを教えてくだい。 A:メリット:周囲の歯を削らない。審美的である。        デメリット:外科処置が必要。治療期間と費用がかかる。 治療期間 半年ー1年 治療費 インプラント、人工骨の使用 ¥330,000 (税込) 仮歯 ¥22,000 (税込) 被せ物は種類によって別途かかります 治療のリスク インプラントが生着しない可能性がある 処置後に腫れ、痛みが出る可能性がある

2025.08.17

歯が移植できるのを知っていますか?

みなさんは歯が移植できるのを知っていますか? 歯の状態や周囲の組織の状態、お口の中の衛生状態によっても異なりますが、条件がそろえば歯の移植ができる場合があります。 可能な場合、インプラントやブリッジ、入れ歯など歯がなくなってしまった部分を補う治療を行わなくても済みます。   今回は奥歯の治療相談で来院されたケースです。 他院で抜歯を勧められ、その後インプラント、入れ歯など、どの治療にするか考えてくださいと言われているそうです。   初診時の口腔内写真です。 向かって左側の、白い蓋がしてある歯が今回相談希望の部分です。 レントゲンで内部の状況を確認してみます。 根の周囲が少し黒く見えます。 より正確に調べるため、CTの撮影をお願いしました。 CT画像です。 下の歯の向かって右側から2番目の根の周囲が全部黒くなっているのが分かります。 (上の歯の根の周囲も黒く見えますが、この部分のケースは違う症例集に記載します。) 検査の結果、根が割れており、歯の保存は難しいと判断しました。 そのため、抜歯が必要になる旨を説明し、その後の治療をどうするか相談します。   今回は奥から2番目の歯が対象部位で隣の親知らずがしっかり生えていないため、支えとして使用できない状況です。 他院ではこの親知らずも抜歯し、インプラントか入れ歯を勧められたそうです。 後ろの親知らずは歯茎に少し隠れていますが、虫歯もなく健康な状態です。   この親知らずを今回抜歯予定の部分に移植できないか考えました。 親知らずの方がサイズが小さく抜いた穴に入れやすいこと、親知らずの根の形が丸く抜歯に適していること。 また、別の症例集で挙げますが、上の歯も治療中で歯の長さが短く、移植後の固定期間中に噛み合わないなどの条件から移植が適用可能と判断しました。 患者さんにその旨を説明し、処置に移ります。   今回の部位と親知らずを同時に抜歯します。 内部の感染源をしっかり除去し親知らずを移植します。 移植後のレントゲンとCT画像です。   移植した直後なので、根の周囲は隙間があり、黒く見えます。 この部分が今後骨ができてくれば、レントゲン上で色が変化してきます。   まず、1ヶ月程、歯と骨がくっつくかどうか経過観察します。 抜歯してからの移植のため、歯の内部の神経はダメになってしまいます。 そのため、固定期間終了後、根管治療を行います。   一般的に親知らずの根の形は複雑なことが多いため、根管治療の難易度もより高くなります。 マイクロスコープ、ラバーダムを用いて行います。 治療途中にCTで改善状態を確認します。 根の周囲が白くなっているのが分かると思います。 骨が再生してきているのが確認できたため、最終的なお薬を充填していきます。   充填後のレントゲン写真とCT画像です。 根の先端までしっかりと充填することができていると思います。   治療前後で比較します。 治療前 治療後 問題なく親知らずの移植が終了しました。 レントゲンで見ても分かるように、周囲の歯に比べ根の長さが短いため、歯周病に対するリスクがあります。 また、移植した歯は根管治療した他の歯より寿命が短いと言われています。 しかし、今回移植したことで元々機能していなかった親知らずを利用でき、インプラントなど他の治療が必要なくなったことはとてもメリットだと思います。   移植に関しては、親知らずの状態、周囲の骨や組織の状態、根管治療の成否など乗り越えないといけない関門が多いため、とても難易度の高い治療です。 全てのケースで治療可能というわけではありませんが、口腔外科専門医と連携して精度の高い治療を行っております。 お気軽にご相談ください。 よくある質問 Q:どんな親知らずでもできますか? A:虫歯になっていたり、横を向いている親知らずは難しい場合が多いです。 Q:期間はどれくらいかかりますか? A:移植後の固定で1ヶ月、根管治療で2ヶ月程かかります。 Q:保険外治療ですか? A:当院では保険内で対応しています。   治療期間 2ヶ月 治療費 保険内診療 治療のリスク 移植した歯が生着しない可能性がある 根管治療後に再発する可能性がある

2025.08.04

アイコンという治療方法を知っていますか?

前歯の白濁(ホワイトスポット)が気になり、アイコン治療を希望して来院される患者さんが最近増えてきています。 この白い部分は大きく以下の2つに分かれます。 ①エナメル質形成不全 乳歯のときの外傷や感染、病気や栄養障害などによって、永久歯のエナメル質が十分に形成されなかった場合に起こる白濁です。エナメル質形成不全が原因の場合、虫歯とは違い脱灰は生じていません。 しかし、正常なエナメル質と比べて作りが不完全なため、光の屈折や透過の違いによって白く見えてしまいます。 ②初期虫歯 歯の表面が初期虫歯になると、虫歯菌が作り出す酸の影響で、歯のリンやカルシウムなどのミネラルが溶け出してしまいます。 表面はまだ崩壊していないため、外から見ると光の屈折率や透過性が変化して白く濁って見えます。これが虫歯に由来するホワイトスポットです。   ↓に詳細が載っています。 https://www.as-dc.com/treatment/icon.html   構造的には通常のエナメル質より強度が落ちるため、虫歯やかけてしまうリスクがあります。 この部分を審美的にも改善し、虫歯リスクを減らすことにもつながるのが “アイコン“です。   今回は前歯2本の審美的な改善を希望して来院された患者さんです。 初診時の写真です。 真ん中の前歯の先端寄りに白濁があります。 小さい頃からこの部分がずっと気になっており、最近ネットでアイコンという治療方法を見たので自分にも適用できるのか教えてほしいとい来院されました。   今回の場合はエナメル質形成不全によるものと考えられました。 白濁の部分はかなり濃く、アイコンだけでは治らない可能性を説明し同意を得たため処置に移ります。 白濁が強いため、時間をかけしっかりと薬剤を浸透させます。   処置後の写真です。 白濁の部分がなくなり、周囲の歯の色と境界が分からなくなりました。 とても綺麗に治ったと思いますし、患者さんもとても喜んでくれました。   処置前 処置後   よくある質問 ここで患者さんからよくある質問を挙げたいと思います。 Q:痛みはありますか? A:白濁がとても強い場合のみ、歯の表面を少し研磨することはありますが、痛みを伴うことは基本的にありません。 Q:どれくらいの時間でできますか? A:複数本まとめて行う場合でも1時間程で終わります。 Q:デメリットはありますか? A:アイコンを使用した歯へホワイトニングの効果があまり出ない可能性があります。そのため、ホワイトニング予定の方には先にホワイトニングすることをおすすめしています。   基本的には歯も削らず、1度の来院で済み、審美面の改善、虫歯リスクの軽減につながるためとても良い治療方法だと考えます。 昔から臨床に取り入れられていた治療方法ではありませんが、当院ではすでに数多くのケースを扱っています。 お気軽にご相談ください。   治療期間 1日 治療費 1本あたり ¥20,000 + tax 治療のリスク 完全に色が隠せない可能性がある

2025.07.19

抜歯する前にもう1度根管治療してみませんか。

虫歯が大きい場合や歯が大きくかけてしまった場合などに神経を取る治療が必要なことがあります。 その治療方法を根管治療と言います。 根管治療はとても難易度が高く、再発のリスクも高いため、悩まれている方が多くいます。 特にすでに根管治療を受けている歯の再治療は難易度が上がります。 当院にも日々多くの患者さんが根管治療の相談で来院されます。   根管治療とは↓ https://www.as-dc.com/treatment/endo.html   今回のケースです。 左上の歯茎が腫れるのを繰り返し、違和感がある。 数年前に根管治療を行い、しばらくしてから歯茎が腫れてきた。 他院で相談したが、再度治療しても治らない確率が高いため経過観察となり、強い症状などが出た場合は抜歯と説明を受けたとのことです。   初診時の写真です。 銀歯の上の歯茎が腫れているのが分かります。 銀歯の中は肉眼では分からないためレントゲンを撮影します。   レントゲン写真です。 赤丸の部分が腫れの原因であると考えられます。 根管治療は済んでいますが、細菌による感染で根の先の骨が炎症を起こし、脆くなることでレントゲン上でわずかに黒く見えています。   より詳しく状態を調べるため、CTの撮影をさせていただきました。   正面からみた画像 横から見た画像   根の先がはっきりと黒くなっているのが分かると思います。 細菌が骨を溶かし、歯茎までまわってくることで、歯茎に腫れができていると考えられました。 この状態で放置しておくと、少しずつ周囲の骨が溶けていき将来的には抜歯になってしまう可能性が高くなります。 そのため、治療の成功率は100%ではありませんが、再度根管治療を行うことを提案しました。   銀歯を除去し、ラバーダム、マイクロスコープ下で治療をすすめます。   治療終了後、CTにて骨の改善状態を調べます。 根の周囲にあった黒い像がなくなっているのが分かると思います。 これは治療により細菌の量が減ったことで、骨が再生している状態です。   今回の治療は 1回目 銀歯の除去、虫歯、根管内部の古い薬剤の除去 2回目 根管内部の再洗浄、消毒 3回目 根管充填(内部に最終的な薬剤を詰める処置) 4回目 土台の装着、型取り 5回目 被せ物の装着   合計5回の来院で治療終了となりました。 通常の虫歯治療に比べると少し回数は増えてしまいますが、確実に治すために慎重に処置するには必要な回数だと考えます。   処置前後で画像を比較します。 処置前 処置後 歯茎の腫れも違和感もなくなり、しっかりと改善させることができました。   根管治療は難易度が高く、丁寧に治療しても治せないケースもありますが、マイクロスコープ、ラバーダム、CTなどの道具を使用し、基本に則った治療を行なっていくことが歯科医療としてとても大切だと考えています。 当院ではマイクロスコープ、ラバーダムなど治療に必要な機材は保険内外問わず使用しています。 他院で抜歯と言われた歯がある場合、抜歯の前に1度相談にきてもらえれば、治せる可能性があるかもしれません。 お気軽にご相談ください。   治療期間 3ヶ月 治療費 保険診療 治療のリスク 歯が割れてしまう可能性がある

2025.07.11
AS DENTAL CLINIC.
日本歯科医療評価機構

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是非、たくさんのお言葉をお寄せ下さい。

また、当院では皆様から頂いたご意見をもとに、スタッフ全員で医院をよりよくしていく取り組みを実施しています。
当院について、お気づきになられた点などがございましたら、何でもお気軽にご意見をお寄せください。