顎の骨が薄い場合のインプラント

「骨造成法」という選択肢

桶川の歯医者|アズ歯科 桶川院

jaw「骨造成」という選択肢について

「骨造成」という選択肢について

自分の歯で噛む感覚を持ち続けることができるうえ、見た目の印象も良い「インプラント(インプラント治療)」は、歯を失った人が取りうる優秀な選択肢のうちのひとつです。ただ、この「インプラント(インプラント治療)」はすべての人に適応するわけではありません。

今回は「顎の骨が薄い人の場合、インプラント(インプラント治療)を受けられるかどうか」という観点から、このインプラント(インプラント治療)について解説していきます。

インプラントの原理と、
顎の骨の厚さ

インプラントの原理と、顎の骨の厚さ

インプラント(インプラント治療)は、顎の骨にインプラント体(人工的に作られた歯の根っこ)を埋め込み、固定するものです。顎の骨自体に穴をあけて、インプラント体をしっかりと固定するわけです。

このような流れを踏むため、インプラント(インプラント治療)は、顎の骨がある程度しっかりと厚みがあり、骨密度が高く、かつその高さがある程度ある状態でなければ受けることができません。無理やり打ち込んでも、インプラントと骨がきちんと結合してくれない恐れがあるからです。

顎の骨の状態は人によって異なりますが、年を重ねていたり、歯を失ってからしばらくの期間その状態で放置していたりする場合には、このような「顎が薄く、少なく、骨密度が低い状態」になりやすいといえます。

顎の骨が薄い場合でも、「骨造成法」という選択肢がある

上記でも述べた通り、骨の状態が良くないと、インプラント(インプラント治療)は受けることができません。しかしこのような状態からであっても、ひとつのステップを踏むことで、インプラント(インプラント治療)が可能になる場合もあります。

そのステップとは、「骨造成法」です。骨造成法とは、文字通り、「骨を増やす方法」です。これは「造骨法」あるいは「骨造成」もしくは「骨再生」などの呼び方で呼ばれます(ここでは「骨造成法」の表記に統一します)。

骨造成法には、大きく分けて2つの種類があります。
・骨誘導再生法(GBR法)
・サイナスリフト法です。

それぞれの違いを見ていきましょう。

  • 1

    骨誘導再生法(GBR法)

    骨誘導再生法は、「GBR法」とも呼ばれます(ここでは「骨誘導再生法」の表記に統一します)。

    この方法は、「該当部位に、骨を充填する」というやり方で骨を作る方法です。
    まずは歯茎を切開したのち、インプラントを入れる予定の箇所に骨を充填します。このときに使われる骨は、患者様自身の骨であることもあれば、人工的に作られた骨であることもあります。そしてこの充填した骨を、人工的に作られた膜で覆います。その後で、切開した歯茎を閉じます。

    このような処置をして数か月の期間を置くと、顎の骨が再生されたり、増えたりします。そしてこの「増えた骨」がしっかり安定したのが確認できれば、顎の骨に器材を打ち込むというインプラント治療法が可能になるのです。

  • 2

    サイナスリフト法

    サイナスリフト法は、「ラテラルサイナスリフト法」とも呼ばれます。ただし単に「サイナスリフト法」というと、この「ラテラルサイナスリフト法」を指すことが多いので、ここでもこの表記を使っていきます。

    サイナスリフト法は、上顎にインプラントを埋め込みたいときに選択される方法です。上顎はもともと下顎に比べて骨が薄く少ないことが多いのですが、それは上顎に存在する「上顎洞(じょうがくどう)」という空洞のせいであるといわれています。

    サイナスリフト法は、この上顎洞にアプローチして、骨を補う方法だといえます。
    サイナスリフト法は、まずは歯茎を大きくめくるところから始まります。目の下のあたりまで大きく捲り、穴を開けます。そしてそこから上顎洞に向かって人工骨(骨補填剤)を注入します。この処理を行うと、約半年ほどで骨ができあがります。骨がしっかりできあがれば、インプラントを入れることができるようになります。

ここで紹介した2つの方法は、骨造成法のうちでも、もっともメジャーなものです。

ただし歯科医院によって取り扱いの手術法は異なっています。たとえば、骨の移植を必要としない「ピエゾサージェリー」と呼ばれる方法や、抜歯した後に残った穴を利用して顎の骨を作る「ケソッタリフト(クレスタルサイナスリフト)」などの選択肢が提示されることもあります。

また、通常のインプラントを打ち込むことが難しいと判断される場合は、それよりも短い「ショートインプラント」が使えるかどうかを検討することもあります。

骨造成法の
メリットとデメリット

骨造成法は、顎の骨の状態のせいでインプラント(インプラント治療)を受けることが難しい人にとって、希望となる選択肢です。「多くの歯をインプラントにしたい」という場合でも、この方法が取れることもあります。ちなみにここでは「インプラント(インプラント治療)のための骨造成法」を取り上げましたが、骨造成法を行うことで歯茎の「ヤセ」を改善することもできるので、見た目にも若々しい印象になります。

ただし、骨造成法にもデメリットはあります。
インプラント(インプラント治療)自体も外科的な処置を必要としますが、骨造成を行う場合はその前段階でさらに外科処置をする必要が生じます。また骨造成法は痛みも伴うものであり、特にサイナスリフト法は痛み・腫れが出やすい治療方法だといえます。
さらに骨造成法を行った後にすぐにインプラント(インプラント治療)ができるわけでもなく、半年程度の時間が必要です。

ちなみに骨造成法は、喫煙をしていたり、全身疾患を抱えていたりする人の場合は、そもそも受けることができないこともあります。

骨が薄い・少ない人にとって、インプラント治療はなかなか難しいものです。骨造成法を使うにしても、そこにはデメリットも存在します。
しかし、「患者様が自由に、自分自身の意志で、さまざまな治療方法のなかから自分に適した治療方法を選んで行くこと」を可能にした「骨造成法を行ったうえでのインプラント(インプラント治療)」は、やはり非常に有意義なものだといえるでしょう。

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